◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)によると、2001/02年度(7〜6月)のチーズ 生産量は、前年度比9.9%増の約41万3千トン(暫定値)となった。 これは、国内消費が順調であったためとみられる。当該年度の豪州 のチーズ消費量は、1人当たり12.0キログラムで前年度比6.1%増と なっている。 豪州のチーズ生産は、90年代後半から2000年にかけて輸出の大幅 増加と、国内消費の着実な増加に支えられ順調に生産を伸ばしてき た。1996/97年度と比べると、42.3%増となっている。また、品目 別に見ると、消費量の、また生産量の半分以上を占めるチェダー (タイプ)チーズが2.1%増の22万3千トンとなったのをはじめ、半 硬質タイプが11.3%増の9万4千トン、フレッシュタイプが32.1%増 の7万7千トンなどとなった。特に、フレッシュタイプの生産は1996 /97年度と比べると倍以上の伸びとなっている。
一方、これまでのチーズ生産増の主要因であった輸出については、 前年度に比べ0.6%減の21万8千トンとなった。これは、EU向け輸出が 5割以上減少したことが大きい。豪州のチーズ輸出は、90年代後半か ら2000年にかけて国際的な需要の高まりから、大幅に増加した。1996 /97年度と1999/2000年度と比べると71.5%増となっている。しかし、 2000/2001年度以降は減少が続いている。 2000/2001年度の輸出について国別に見ると、輸出の5割近くを占 める日本向けや、それに次ぐサウジアラビア向けが、それぞれ21.6% 増の10万3千トン、6.7%増の1万7千トンとなった。しかし、それらに 次ぐ輸出先である韓国向けは14.0%減の1万4千トンとなった。なお、 アジア向け輸出については、1996/97年度と比べると70%以上も伸び ており、豪州のチーズ輸出量全体の6割以上を占めている。 また、品目別には、最も輸出量の多いチェダー(タイプ)チーズが 14.0%減の8万1千トンとなり、それに次ぐプロセスタイプも11.6%減 の2万5千トンとなった。なお、この両品目で輸出の5割以上を占めてい る。一方、フレッシュタイプは、42.9%増の5万5千トンと大幅な増加 となった。フレッシュタイプの輸出量増加は目覚ましく、1996/97年 度と比べると3倍以上となっている。
豪州のチーズ消費は近年、国内の食生活多様化や健康志向からチェダー 以外のチーズや脂肪分を減らしたチーズの消費が伸びており、今後も増加 が期待されている。一方、輸出については、2000/01年度には2割近くを占 めたEU向け輸出の回復が望まれる。併せて、アジア向け輸出のさらなる増 加が期待される。今後のチーズ生産は、国内消費とEU向け輸出などの動向 にかかっている。
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