◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2002年の乳製品輸出額は、前年比13.8% 減の9億1,916万ドル(約1,084億円:1ドル=118円)となった。過去2カ 年は好調を維持し、昨年は輸出額で過去最高を記録したが、2002年はチ ーズの輸出が好調にもかかわらず、脱脂粉乳が大幅に減少し、またその 他製品も低調な需要を反映して減少したとみられる。品目別の輸出額を 見ると、チーズが前年比0.7%減の1億6,044万ドル(約189億円)、脱脂 粉乳は同39.5減の1億1,453万ドル(約135億円)と大幅に減少し、ホエイ 製品は同4.5%減の1億3,812万ドル(約163億円)となった。 主要乳製品の輸出量 資料:USDA/FAS「Import and Export Data by Commodity」 注:バターにはバター製品、チーズにはカードをそれぞれ含む。
一方、2002年の主要乳製品の輸出量は、前年比5.8%減の60万1千トンとなっ た。品目別に見ると、チーズが前年比2.9%増の5万4千トン、脱脂粉乳が前 年比22.9%減の7万4千トンとそれぞれ明暗が分かれた。チーズについては、 全輸出量の約3割を占めるメキシコ向けが前年比8.9%減の1万5千トンとなっ たが、他の輸出国においては増加している。また、脱脂粉乳については、政 府買上げが増加するなど国内需給が緩和されたことやチーズの需要が好調で あるため、輸出に仕向けられる量が限られたことなどから前年を下回る結果 となった。また、バター輸出も輸出先で健康志向や低価格の代替品に需要が シフトしていることで減少となった。 チーズの国別輸出シェア 資料:USDA/FAS「Import and Export Data by Commodity」
USDAによると、2003年の乳製品の国際需給は、すでにオセアニア地域の生産 シーズン終了が近く、豪州では干ばつによる供給量の減少が懸念されている ため、ひっぱく基調で推移すると見込まれている。
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