EU委、TSE規則の移行期間延長を提案


TSE規則の移行期間延長を提案

 EU委員会は3月5日、欧州議会および農相理事会に対し、伝達性海綿状脳症
(TSE)の防疫、管理、撲滅に関する規則(欧州議会および理事会規則999/
2001、以下「TSE規則」という)の移行期間について、これを2年延長(2005
年7月1日まで)することを提案した。

 TSE規則は、牛海綿状脳症(BSE)だけでなく、すべての動物のTSEから起
因する家畜衛生および公衆衛生上のリスクに対する包括的対策を規定するも
のとして、2001年5月に制定され、同年7月から施行された。この規則では、
@加盟国および域外国をBSEの危険度に応じて5つに分類することとし、A判
定された分類に応じて、加盟国が実施すべき措置および域外国に対する牛肉
などに関する輸入条件を設定している。

 ただし、分類判定作業に要する時間を考慮し、最大2年間の移行期間(2003
年6月30日まで)が設定された。移行期間における措置として、加盟国および
EUに牛肉などを輸出する域外国はBSE清浄国と見なされない限り、@特定危険
部位(SRM)のフードチェーンからの排除、A特定のと畜方法の禁止、B反す
う動物の骨からの機械的に食肉を分離すること(MRM)の禁止などが要求され
ている。

分類基準に関するOIEとの調整の遅れが主な要因

 TSE規則に基づくBSEの危険度に応じた分類判定作業は、2001年末から開始さ
れた。分類は国際獣疫事務局(OIE)の基準をもとに設定されていたが、作業
開始後すぐに、適正なリスク評価のためには、分類の基準の修正が必要である
ことが明らかとなった。このため、EU委員会は分類の修正をOIEに提案したが、
OIE基準の修正はいまだに実現していない。

 加えて、平行して進められているEUによる分類の判定作業の進捗もはかばか
しくない。当初は2003年3月までには終了する予定であったが、リスク分類の
判定をEUに申請した国のうち、現時点で、日本も含め約3分の2の国について、
最終見解が採択されていない状況である。

 こうしたことから、EU委員会では、TSE規則の移行期間を延長せざるを得な
いと判断したものとみられる。


注目されるMBM禁止措置の動向

 肉骨粉(MBM)のすべての家畜に対する飼料使用禁止措置もTSE規則の移行期
間における措置の1つとして規定されている。しかし、EU委員会では、MBMの飼
料使用禁止を、TSE規則の本則の中に規定する意向であることを明らかにした。
一方で、MBMの飼料使用禁止措置の見直し(特定条件下でのMBMの飼料使用再開)
に向けて、管理方法についての検討を開始したとの見方もあり、今後の動向が
注目される。

◎ EUの科学運営委員会は、3月6、7日に開催された会合において、BSEに関する
迅速検査法として、新たに2種類の検査法を承認すべきであるとした見解を採択
した。なお、EUでは現在3種類の検査法が承認されている。


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