◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2003年 第3四半期(9月1日現在)の豚の総飼養頭数は、前年同期(6,072万5千頭)に 比べ、1.8%減の5,962万3千頭となった。2002年第4四半期から4期続けての減 少となり前回調査引き続いて6千万頭を下回る水準となった。 主要5州の飼養頭数について見ると干ばつの影響による飼料穀物収穫量の減 少がなかったミネソタ州は、前年同期比3.1%の増加、飼養頭数が全米で最大 のアイオワ州が3期ぶりに同0.6%増と増加に転じたが、他の主要3州ではいず れも減少した。
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資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」 注1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計 2:前年比は02年9月1日現在のデータとの比較、 前回比は03年6月1日現在のデータとの比較 |
区分別の飼養動向を見ると、繁殖豚(雄を含む。)が、前年同期比2.8%減 の588万2千頭となった。昨年の第3四半期(9月)から5期連続の減少となる。 肥育豚は同1.6%減の5,374万1千頭となり、昨年の第4四半期(12月)から4期 連続の減少となった。肥育豚について体重階層別に見ると、60ポンド(約27キ ログラム)以上は前年同期比1.0%減、60ポンド未満は同2.0%減となり、繁殖 豚、肥育豚ともに減少が続いている。
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資料:USDA「Quarterly Hogs&Pigs」 |
と畜頭数は7月から9月にかけてそれぞれ、前年同月比1.1%減の833万4千頭、 6.2%減の780万9千頭、2.5%増の772万5千頭となった。と畜頭数は2001年10月 以降、前年を上回って推移していたが、最近では前年からの減少率は縮小傾向 となり4、5月に続き8、9月も前年同月を下回った。2002年から、干ばつによる 飼料価格の上昇や肥育豚価格の低迷などから繁殖豚のと畜が増加し、繁殖豚、 肥育豚の飼養頭数が減少してきており、その減少率も今回イリノイ州で前年同 期を上回ったものの、全米ではいまだに回復の兆しが見えず、豚群の再構築が 図られるまでに、時間が必要であると考えられる。
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資料:USDA「Hogs and Pigs」 |
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