◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、1,000頭規模以上のフィードロットの飼養頭数 は、2001年12月から22カ月連続で前年同月を下回り、2003年9月は前年同月比 3.0%減の982万9千頭となった。 この要因は、昨年来中西部を中心とした干ばつの影響で、飼料穀物の収穫量 が減少し、飼料穀物価格が前年を上回って推移したためフィードロットにおけ る経営コスト増により、フィードロット側からの導入抑制の動きがあったこと および最近の肥育素牛価格の上昇が考えられる。
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資料:NASS/USDA「Cattle on Feed」 注:収容能力1,000頭以上のフィードロットへの導入頭数 |
肥育牛価格(去勢牛、チョイス級、生体重量1,100〜1,300ポンド(約500〜 590キログラム)、ネブラスカ州)は、2002年11月以降11カ月連続で前年同月 を上回って推移し、9月は前年同月比39.7%高の100ポンド当たり90.0ドル(キ ログラム当たり約222円:1ドル=112円、以下同じ)と上昇が続いている。ま た、肥育素牛価格(去勢牛、生体重600〜650ポンド(約272〜294キログラム)、 オクラホマシティー)は、2001年10月から20カ月ぶりに2003年7月から前年同 月を上回り、9月は同23.3%高の100ポンド当たり102.7ドル(キログラム当た り約253円)となった。
一方、フィードロット経営の干ばつへの対策としては、一般的にコストを抑 えるため導入頭数を抑制するとともに肥育期間を短縮し肥育牛を早期に出荷す ることが考えられるが、2003年8月は、導入頭数が増加する一方、出荷頭数が 減少している。この要因は、5月20日にカナダで確認されたBSEの影響で、現在 もカナダからの生体牛の輸入禁止措置が続いてるため、米国内に品薄感が広が り、上級グレードであるチョイス級の部分肉価格(カットアウトバリュー:各 部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格)が前年同月比40% 高の100ポンド当たり156.6ドル(キログラム当たり386円)と上昇しているこ とから、チョイス級に的を絞って肥育する動きが出ているものと考えられる。
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資料:NASS/USDA「Cattle on Feed」 注:主要7州における収容能力1,000頭以上のフィードロットへの導入頭数
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資料:NASS/USDA「Cattle on Feed」 注:主要7州における収容能力1,000頭以上のフィードロットへの導入頭数 |
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