◇絵でみる需給動向◇
ニュージランド(NZ)政府統計局の発表した貿易統計によると、2002/03年 度(2002年7月〜2003年6月)の粉乳(脱脂粉乳、全粉乳)輸出量は、前年度よ り25.5%増の90万5,779トンとなった。内訳を見ると脱脂粉乳が21.7%増の29 万8,535トン、全粉乳が27.5%増の60万7,244トンとなっており、粉乳の輸出量 は99/00年度以降増加傾向で推移している。 しかし、輸出額(FOB価格ベース)は、同17.8%減の25億5,785万NZドル(約 1,739億3千万円:1NZドル=68円)となっており、輸出価格を引き下げたこと で欧州産や米国産の対する国際競争力が強まり、急激な輸出増加につながった と考えられる(図1)。
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資料:NZ政府統計局「Overseas Trade Statistics」 注:HS番号0402-10、0402-21 |
2002/03年度の粉乳輸出先を国別に見ると、主な輸出先は地理的にも近いア ジア地域となっている。脱脂粉乳では第1位はフィリピン、第2位はマレーシア、 第3位が中国となった。また、全粉乳では第1位が中国、第2位がマレーシア、 第3位がインドネシアとなった。前年度と比べ最も増加したのは中国で、脱脂 粉乳で67%増加、全紛乳で113%増加し、両者を合わせた輸出量は約2倍となり、 輸出相手先として第1位と前年の第4位から大きく飛躍した。
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資料:NZ政府統計局「Overseas Trade Statistics」 |
ニュージーランド(NZ)最大である組合系株式会社フォンテラの最近の報告 によれば、初乳から作られる粉乳製品「Colostrum(初乳)」の販売量が中国 で伸びていることを伝えた。販売量が増加している主な要因は、消費者がこの 製品を摂取すると免疫機能が強まり、重症急性呼吸器症候群(SARS)の予防効 果があると信じているためとしている。なお、初乳の集乳量は限定されること から、この今年の生産見込数量は、約200トン程度と粉乳生産量全体から見れば わずかな量である。しかし、フォンテラはこれらの輸出を期に、今後、中国が さらに大きな市場となるよう期待を寄せている。
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