タイの鶏肉の需給動向
◇絵でみる需給動向◇
○2003年上半期鶏肉輸出状況
● ● ● 上半期の輸出は増加 ● ● ●
タイ大蔵省の統計によると、2003年のブロイラー輸出量は2月以降前年同月
を上回って推移し、5月には前年同月比5.2%増の3万1千トンとなった。その
うち日本向けについては前年同月に比べ30〜40%減と低調に推移したが、5月
には同98%まで回復した。
タイブロイラー加工輸出協会によると2003年上半期の鶏肉輸出量は、冷凍鶏
肉は前年同期比9.8%増の18万8千トン、調製品は同13.1%増の6万9千トン
となった。(表1)
表1 国別輸出状況(2003年1月〜6月)
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資料:タイブロイラー加工輸出協会 |
● ● ● 日本向けが減少 ● ● ●
上期の輸出量全体に占める割合を国別に見ると、冷凍鶏肉は日本向けが前年
同期58.5%から44.7%へと減少し、EU向けが同23.2%から31.8%へ増加し
た。同じく調製品も日本向けが52.6%から48.7%と減少し、EU向けが38.5%
から43.6%へ増加し、日本市場の縮小、EU市場の拡大という傾向が見られる。
● ● ● 市場拡大を模索 ● ● ●
2003年に入り、日本市場においてタイの競合国からの輸入が疾病発生の影響
に等によって失速したため、タイ産鶏肉に対する日本からの需要は一時的に増
加しているが、9月末以降中国産の輸入が次第に回復することが予想されるなど、
タイに対する日本からの需要は長期的に減少傾向で推移すると予測される。
同国のブロイラー業界は、このほか、日本市場がブラジルからの輸入を拡大
していることなどを背景に、新たな市場を開拓するため活発な交渉を開始し始
めている。
同国農業協同組合省は、台湾に対しては、指定工場の鶏肉調製品に限り5年
ぶりに輸出を再開することで7月に合意している。同じく衛生基準を満たすこ
とを条件に、韓国およびカナダへの鶏肉および調製品の輸出について両国と合
意し、8月には両国担当者による現地検査を開始するとしている。
一方、同国大手食品企業CPグループがロシアをはじめ東欧諸国に対し鶏肉を
はじめとする食品輸出に積極姿勢を見せており、日本市場に替わる輸出市場の
開拓に向けての動きが活発化している。
ブロイラー輸出の動向(1月〜6月)
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資料:タイブロイラー加工輸出協会 |
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