◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2003年上半期(1〜6月)における鶏肉輸出量 (可食処理ベース)は、前年同期比0.8%減の107万3千トンと前年同期をわ ずかに下回った。国別に見ると、最大の輸出市場であるロシアが17.7%減の30 万5千トンと2002年1〜6月に引き続き2期連続で減少している。今年4月か ら実施されたロシアの関税割当措置がどのように行われるかなど不確定な要素 が大きくその影響により減少が続いているとしている。主要市場である香港は SARS(サーズ)の影響により51.4%減7万7千トン、メキシコについては経済 低迷と米国から輸入される冷凍モモ肉の関税額交渉の行方が不安定な状況のた め15.3%減7万3千トンとなっている。一方、中国は2倍増の6万2千トン、 日本は6.5%増の2万4千トン、カナダ11.2%増4万2千トンとなった。
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資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 注:輸出量は、可食処理ベース |
米国の鶏肉生産量に占める輸出量の割合は、約20%となっていたが、その割 合は徐々に低下し、2002年からは輸出の減少で15%程度となっている。2003 年第2四半期(4〜6月)では14.2%となり、最大の輸出先であるロシア向け輸 出の減少から低い割合となっている。 2003年1〜8月の鶏肉生産量は、前年同期比0.5%増の987万1千トンとな った。この要因としては、今年に入り生産者販売価格および卸売価格が前年同 月を上回って推移しており、生産者の収益も回復していることから、生産量は6 月から前年同月比で増加に転じたことによる。2003年通年では、モモ肉を中心 とし、輸入国からの需要による輸出価格の上昇により、輸出量の伸び率は鈍化 するものと見られている。
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資料:ERA/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 注1:輸出量は、可食処理ベース 注2:国内価格は、北東部におけるもも(ホール)の卸売価格 |
輸出量の増加に伴い、輸出の主要品目であるもも肉(北東部モモホール)の 卸売価格2002年4月以降、ロシアや日本等主要市場の衛生基準や米国における 疾病の発生による輸入制限により輸出量が減少したことから前年同月を10%以 上下回って推移してきが、2003年7月は16カ月ぶりに前年月比プラスに転じ、 8月は同13.8%高のポンド当たり36.5セント(キログラム当たり約94円:1 ドル=118円)となった。
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