NZの牛乳・乳製品の需給動向
◇絵でみる需給動向◇
○2002/03年度のチーズ輸出動向
● ● ● 輸出量は前年度並み、輸出額は30.3%減 ● ● ●
ニュージランド(NZ)政府統計局の発表した貿易統計によると、2002/03
年度(2002年7月〜2003年6月)のチーズ輸出量は、前年度と同水準の26
万8,049トンとなった。チーズの輸出量は、96/97年度以降増加傾向で推移し
ている。また、輸出額(FOB価格ベース)を見ると、同30.3%減の9億5,286
万NZドル(約657億4,734万円:1NZドル=69円)となった(図1)。
図1 チーズ輸出量と輸出額(FOB価格ベースの推移)
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資料:NZ政府統計局「Overseas Trade Statistics」 |
● ● ● 日本、輸出先1位から3位へ● ● ●
2002/03年度のチーズ輸出先を国別に見ると、これまで最大の輸出先であっ
た日本に変わって米国が1位となった。同国への輸出量は、前年度比16.6%減
の3万9,833トンとなったが、輸出量全体の14.9%を占めた。米国向けは加工原
料向けを中心とした輸出となっている。次いで、前年度に比べ9.3%増加した豪
州の3万9,081トン、同じく23.2%減少した日本の3万8,117トンと続く。上位3
国の順位が入れ代わったが、NZにとってこれらが安定した最大の市場であるこ
とには変わりはない(図2)。
日本へは数種類のチーズを輸出しているが、中でもチェダーチーズ、フレッ
シュチーズ、ゴーダチーズの割合が高い。また、フレッシュチーズにあっては、
その輸出量全体の50.3%が日本向けに輸出されており、日本での人気の高さが
表れている。
主要な相手先の中で、特に大幅な伸びを見せたのが全体の10.8%を占めたベ
ルギーである。輸出量は前年度比100.6%増の2万9,203トンとなり、その半分近
くをチェダーチーズが占める。チェダーチーズは、NZから輸入しているチー
ズの種類の中では割合が最も高く、ここ5年間は45%前後でほぼ安定している。
図2 国別チーズ輸出量の割合(2002/03年度)
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資資料:NZ政府統計局「Overseas Trade Statistics」 |
● ● ● 国際価格の回復が予測されているが、その兆しは見えない ● ● ●
ニュージーランド農林省(MAF)が5月に発表した需給見通しによると、2007
/08年度(6月〜5月)までは乳牛の飼養頭数増加による生乳生産増などで乳
製品の輸出量も増加する。また、チーズの国際価格は、2002/03年度を底に回
復するとされているが、最近の輸出価格(チェダーチーズ)を見ると下降傾向
が続いており国際価格回復の兆しは未だに見えていない。
図3 チェダーチーズの輸出価格(FOB)の推移
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資料:AGBRIEF
注:各週金曜日時点のFOB価格 |
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