米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○前年を上回り推移する肥育豚価格


● ● ●8月の肥育豚価格は対前年比26.8%高 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年8月の肥育豚価格(生体重換算、全米
平均取引価格)は、前年同月比26.8%高の100ポンド当たり43.0ドル(キロ
グラム当たり約111円:1ドル=118円、以下同じ)となった。価格は、2002
年9月に1971年来の低水準となり低調に推移していたが、今年4月に前年同月
を上回り、同36.1ドル(同93円)以降堅調に推移している。
(グラフ:左図参照)

● ● ● と畜頭数、生産量は前年並み、繁殖雌豚飼養頭数は減少 ● ● ●

 一般的に価格下落の要因には生産量の増減が挙げられるが、と畜頭数は4月
以降、ほぼ前年同月を上回って推移しており、1〜8月の累計では前年同期比
0.6%減の6,468万2千頭となっている。枝肉生産量は前年同期並の579万5
千トン、8月の1頭当たり枝肉重量は前年同月比1.1%増の88.5キログラムと
なった。また、繁殖雌豚飼養頭数は、2002年8月から12カ月連続で前年同月
を下回って推移し、2003年8月は前年対比3.2%減の575万頭となり、繁殖基
盤の縮小が継続していることが分かる。
繁殖雌豚飼養頭数の推移
資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 輸出増、国内需要の価格上昇を後押し ● ● ●

 一方、2003年上半期(1〜6月)の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年
同期比6.7%増の38万6千トンとなった。国別に見ると、輸出量の約5割を占
める日本向けは、前年同期比8.6%増の20万3千トンとなった。第2位のメキ
シコ向けは、輸出価格高を受けて前年同期比9.1%減6万4千トン、カナダ向け
は同17.7%減3万7千トンとなった。さらにロシア向けは、同55.5%減の4万
2千トンとなった。総輸出量は韓国やアジア向けの増加などから輸出量は伸びて
おり、生産量の約1割となる。こうしたことから供給が減少傾向となり、価格
を後押しする要因となっている。

 USDAでは、第3四半期の肥育豚価格について、100ポンド当たり41ドルか
ら43ドル(キログラム当たり106円から111円)、2003年平均では前年比14%
高の同39ドルから40ドル(同101円から104円)で推移すると予想している。
豚肉国別輸出量の推移
資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」


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