2004年上半期の生乳価格は高騰


◇絵でみる需給動向◇


●●●生乳価格、乳製品価格ともに高騰●●●

 米国農務省(USDA)によると、生乳農家販売価格(グレードA(飲用規格乳)およびグレードB(加工用規格乳)価格の加重平均)は、2004年2月以降連続して前年同月を上回って推移し、2004年上半期(1〜6月)では前年同期比45.6%高の100ポンド当たり16.3ドル(キログラム当たり39円:1ドル=109円)となった。

 また、乳製品卸売価格も、上半期でバター前年同期比76.1%高のポンド当たり191.1セント(キログラム当たり459円)、チェダーチーズが同60.8%高のポンド当たり181.6セント(同436円)と高騰している。


●●●飼養頭数の減少から生乳供給量減少●●●

 生乳価格の上昇は、生乳の供給減少によるところが大きい。生乳生産量は、2004年1〜5月で3,271万1千トンと前年同期を0.8%下回った。また、平均搾乳牛飼養頭数も同1.6%減の8,989頭と減少している。さらに干ばつの影響や季節的な減少期により飼料価格が高水準で推移したことも飼養コスト面で消極的な要因となっている。一方、バターが前年同期に比べ15.8%、脱脂粉乳が同13.3%減少し、チーズが同4.4%と強い需要により乳製品の生産量は増加傾向で推移した増加した。


●●●2004年通年では100ポンド当たり16ドルの見込み●●●

 牛乳乳製品の需要をみると、中でもチーズはレストランなど外食向けが堅調であり、2004年4月には、消費量がアメリカンタイプで6%、その他のチーズで9%、前年同期と比較しかなりの程度増加している。こうしたことから、2004年度上半期チーズ向けとなる加工用規格乳の価格は、前年同期比57.3%高の100ポンド当たり15.9ドル(キログラム当たり38円)と高騰しており、2004年通年での生乳農家販売価格の平均は、上半期とほぼ同じ、100ポンド当たり16ドル(キログラム当たり38円)台で推移すると予測されている。

図 加工原料乳の価格の推移
資料:USDA「Agricultural Prices」


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