●●●1,004万頭のBSE検査を実施●●●
欧州委員会がEU加盟各国からの情報を基に作成した報告書によると、2003年のEU15カ国におけるBSE総検査頭数は、同年の24カ月齢を超える牛飼養頭数の約26%に相当する1,004万1千頭となった。検査頭数の内訳をみると、(1)食用に供される健康な牛が約871万6千頭(2)死亡牛や獣医師の判断により緊急と畜された牛などが約129万6千頭(3)感染牛の子牛、同居牛、同一飼料を供与されたためと畜された牛が約2万5千頭−となっており、また、臨床症状からBSEが疑われたため検査された牛については2,578頭であった。
●●●BSE確認頭数、前年比36%減●●●
BSE検査により陽性であった牛は前年に比べて36.0%(767頭)減の1,364頭となり、EU15カ国ではオーストリア、ギリシャ、ルクセンブルグ、フィンランド、スウェーデンを除くすべての国で確認された。また、1万頭当たりの感染率は同33.3%減の1.36頭となった。国別にみると、これまでBSE確認頭数が最も多いイギリスでは前年に比べ45.7%(516頭)減の614頭、次いでアイルランドが同44.4%減の185頭となった。そのほかの国でも軒並み減少傾向にあり、欧州委員会では、これまでに実施されてきたさまざまなBSE対策の効果が出ており、EUにおけるBSEの発生状況はかなり改善されたとみている。
なお、新規加盟10カ国におけるBSE検査頭数は約94万5千頭で、検査により陽性であった牛は、チェコ、ポーランド、スロベニア、スロバキアでの12頭とほぼ前年並みであった。
●●●2003年の1人当たり牛肉消費量は増加見込●●●
欧州委員会によると、BSE問題の再燃などの影響により2001年には671万トンまで落ち込んだEU15カ国の牛肉消費量も、2003年には2001年に比べて14.3%増の767万1千トン、1人当たりの消費量についても同13.7%増の20.18キログラムまで回復すると見込まれている。
表1 2003年EUにおけるBSE検査結果
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(単位:頭)
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資 料: 欧州委員会(2004年5月1日現在) |
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表2 EUにおけるBSE発生状況の推移
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(単位:頭)
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資 料: OIE、欧州委員会 |
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