2003年上半期1〜9月の鶏肉輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2003年1〜9月の輸出数量は前年並み ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年1〜9月における鶏肉輸出量(可食処理ベース)は、 前年同期比0.9%減の160万9千トンと前年同期をわずかに下回った。国別に見ると、 最大の輸出市場であるロシアが11.6%減の46万7千トンと2002年1〜9月に引き続き2期連続で減少している。 今年4月から実施されたロシアの関税割当措置に関する不確定要素の影響により減少が続いている。 主要市場である香港はSARSの影響により46.3%減10万6千トンとなった。

 メキシコについては、今年1月から「もも肉」に限り暫定的な関税の緊急措置(SG) が両国政府間で合意され実施されていたことにより2003年1〜7月は、前年同期比8.4%減の8万7千トンとなった。 さらにSGの暫定期間が終了する7月25日に2008年までの関税割当の実施とSG(年1%の関税枠拡大、SG発動時の関税率を段階的に低減) の継続について合意されており、輸出量は問題の解決を見た7月から前年同月を上回って推移し、1〜9月は1.7%減の11万3千トンまで回復した。 一方、中国向けは同91.4%増の9万4千トン、日本向けは2.4%増の3万9千トン、カナダ向けは6.1%増6万8千トンとなった。


米国鶏肉輸出量の比較

資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:輸出量は、可食処理ベース

● ● ● 2003年第3四半期の輸出量は、生産量の13.8% ● ● ●

 米国の鶏肉生産量に占める輸出量の割合は、約20%となっていたが、その割合は徐々に低下し、 2003年からは輸出の減少で15%程度となっている。2003年第3四半期(7〜9月)では13.8%となり、 最大の輸出先であるロシア向け輸出の減少から低い割合となっている。

 2003年1〜11月の鶏肉生産量は、前年同期比1.1%増の1,361万7千トンとなった。この要因としては、 今年に入り生産者販売価格および卸売価格が前年同月を上回って推移しており、生産者の収益も回復していることから、 生産量は6月から連続して前年同月を上回っている。


鶏肉輸出量の推移(四半期ごと)

資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 1:輸出量は、可食処理ベース
  2:国内価格は、北東部におけるもも(ホール)の卸売価格

● ● ● もも肉の卸売価格は堅調 ● ● ●

 輸出主要品目であるもも肉(北東部モモホール)の卸売価格は、ロシアや日本等主要市場の衛生基準や米国における疾病の発生による輸入制限 により輸出量の減少などから下回って推移してきが、今年7月から前年同月を上回って推移し、年末需要期に入り在庫量の減少などから 2003年11月は同16.4%高のポンド当たり37.6セント(キログラム当たり約91円:1ドル=110円)となった。


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