生乳生産量は2002年とほぼ同等の見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生乳生産量は、前年同期比0.1%増 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年の1〜10月までの生乳生産量は累計で、 前年同期を0.1%上回る6,447万1千トンとなった。カリフォルニア州、アイダホ州など主要20州について見ると、 前年同期比0.4%増の5,586万5千トンとなった。さらに、全生乳生産量の約7割を占める上位10州について見ると、1%増の4,587万6千トンとなった。 カリフォルニア、ウイスコンシン、アイダホ、ニューメキシコ、テキサス、ミシガン、州はいずれも前年同期を上回っており、 ニューヨーク、ペンシルべニア、ミネソタ、ワシントンでは、減少となった。

2003年1〜10月の州別生乳生産量
(単位:千トン、%)
資料:USDA/NASS「Milk Production」
 注:順位は2003年1月〜10月の生乳生産量の順位

● ● ● 1頭当たり乳量の増加から生産増 ● ● ●

 この生乳生産量の増加は、1頭当たり乳量の伸びによるところが大きい。 1〜10月における平均経産牛頭数は、 前年同期比0.4%減の910万3千頭であり微減となったが、この期間の1頭当たり乳量は、 今年前半の干ばつなどの影響があったものの前年同期比0.4%増の7,083キログラムとなった。こうしたことから、 2003年の年間の生乳生産量は、これまでの記録であった2002年とほぼ同水準の7,700万トンと考えられる。

経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移

資料:USDA/NASS「Milk Production」他
 注:2002年の経産牛頭数は上半期の平均値、乳量は年間の予測

● ● ● 生乳価格は回復基調 ● ● ●

 生乳の供給は昨年とほぼ同水準となると考えられるが、 生乳農家販売価格(飲用向け乳価と加工原料乳価の加重平均)は、 2003年7月以降連続して前年同月を上回って推移しており、10月は前年同月比22.3%高の100ポンド当たり14.8ドル (1キログラム当たり約36円:1ドル=110円、以下同じ)となった。また、2003年1〜10月の生乳農家販売価格の平均は、 前年同期0.3%高の100ポンド当たり12.13ドル(約29円)とほぼ2002年並みの水準までに回復している。

● ● ● 乳製品卸売価格も上昇 ● ● ●

 また、乳製品卸売価格も上昇しており、バターの1〜10月の平均価格は、 前年同期比2.1%安のポンド当たり113.1セント(約274円)、 チェダ−チーズは同10.4%高の131.5セント(約319円)といずれも前年同期を上回っている。一方脱脂粉乳は、 依然として高い在庫水準により同8.5%安の91.5セント(約220円)となり前年同期を下回った。


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