2003年1〜9月の豚肉輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2003年1〜9月の輸出量は前年同期比4.9%増加 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年1〜9月の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年同期比4.9%増の57万トンとなった。

 国別に見ると、最大の輸出市場となっている日本向けは、前年同期比4.2%増の28万3千トンとなった。 また、韓国向けは総輸出量に占める割合は5.0%に過ぎないが、同40.7%増の2万8千トンと大幅に増加した。

 一方、メキシコについては同国の景気の低迷が影響したこと、また米国産豚肉価格が上昇していることにより1.2%減の10万4千トンとなった。 カナダ向けは、米国産豚肉価格の上昇に加えカナダ国内の豚価が低迷しており同10.6%減の5万9千トンとなった。


豚肉国別輸出数量

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:枝肉重量ベー

● ● ● 対日輸出は日本の関税措置(SG)発動後減少 ● ● ●

 USDAは今年当初、対日輸出量は減少との見込みを発表していたが、2003年第1〜9月はそれに反し増加となった。 輸出量増加の要因としては昨年8月1日に発動された関税の緊急措置が解除された2003年4月1日以降に、輸出が増加したためとしている。

 さらに、日本で8月1日から3カ年連続でSGが発動されたことから、発動前の1〜7月では前年同期比8.6%増の23万7千トンとなったものの、 発動後の8〜9月は前年同期比14.3%減の4万5千トンと輸出が軟調となった。


対日輸出量の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 輸入は好調に推移 ● ● ●

 一方、1〜9月の輸入は前年同期比15.1%増の40万3千となった。主な輸入国別に見ると、 全輸入量の8割を占めるカナダが14.2%増の32万8千トンとなった。カナダでは、BSEが確認された5月20日以降、 肉牛産業の打撃を重く見た消費者らが立ち上がり、国産牛肉購買運動に発展し牛肉の消費が増加した。このことから、 豚肉の消費が減退し肉豚価格が下落する一方、米国の豚肉価格の上昇を受けて、カナダ産豚肉の輸入が増加したものと考えられる。 また、輸入量の1割を占めるデンマークは同26%増の5万1千トンとなった。

豚肉国別輸入数量

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


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