豚肉生産量は3年連続増加 豪州の豚肉産業の規模は、生産量でみると日本の約3割にとどまり、かつてはそのほとんどを国内で消費していた。近年、主要豚肉輸出国の一部に口蹄疫などの家畜伝染病が発生したことから、これを契機に豚肉の輸出量が増加し、生産量も増えてきている。 2002年豚肉輸出量は大幅増加 輸出量は、1995年以来着実に伸び続けており、2002年は前年比23%増の約6万4千トン(船積み重量)となった。生産量に対する輸出量の割合も1995年の3%から2001年は約20%と、年々増加してきている。2002年の主要輸出相手先とその全体の輸出量に占める割合は、シンガポールが48%、日本が23%であり、両者を合わせると全体の約71%を占めた。2003年1〜9月累計では豪ドル高の影響などで日本やシンガポールへの輸出量は減少したものの、ニュージーランドやフィリピン、台湾などへの輸出量が増加したため、前年同期比約3%増となっている。2000年にはシンガポール向けが全体の輸出量の60%以上を占めていたが、輸出先の多様化により、その割合が低下してきている。
一方、トラス農相は豚肉輸入量の増加を考慮し8月初め、生産者が負担している販売促進費に充てるための課徴金を輸入業者も支払うべきであると加工用豚肉輸入業者に呼びかけた。これが実現すれば、加工用豚肉輸入業者が負担する課徴金相当額は100万豪ドル(約8,100万円;1豪ドル=81円)と見込まれる。現在、生産者は1頭当たり1.65豪ドル(約137円)の課徴金を拠出し、それにより総額850万豪ドル(約6億8,900万円)の販売促進費が賄われている。トラス農相は「国内で販売される豚肉加工品の33%を輸入品が占めており、輸入業者は輸入品の販売に責任を持つととともに、販売促進のための課徴金も負担すべき」と述べるとともに、必要とあらば義務化も考慮に入れていること明らかにした。 |
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