中央ジャワでニューカッスル被害     ● インドネシア


鶏伝染病のまん延による被害拡大

 インドネシアでは8月初旬以降中央ジャワ州および西ジャワ州を含む近隣地域の中小規模養鶏農場を中心に鶏伝染病の被害が拡がっている。10月中旬の同国農業省畜産総局長による発表によると、強病原性で致死率が80〜90%にまで達する原因が特定されていないウイルス病の疑いが強いとして、PCR法などによる確定診断が急がれていたところだが、11月14日の発表によりニューカッスル病であると確認された。これにより、家畜衛生条件に基づき発生農場を中心とする半径50キロメートル以内の地域からの輸出は停止されることとなり、日本の輸入一時停止措置等は解除された。

飼料原料価格の高騰が追い打ち

 同国では例年、10月から始まる断食月(ラマダン)を迎え、食肉の需要期をとなるものの、この騒ぎの影響で国内需要が停滞している。加えて、最近、大豆、トウモロコシ、魚粉をはじめとする飼料原料価格が上昇しており、養鶏業界関係者からは不安の声が上がっている。

 このような状況から同国の飼料生産会社の代表者で構成される飼料生産者協会(GPMT)は、今月は既に5回の特別会合を開催し、問題の解決策を模索している。

 また、国内大手インテグレーターなどを中心に構成される鶏飼養者協会(GPPU)によると、11月に入ってからブロイラーの初生ひな価格が下落し始めており、今年7〜8月の初生ひな価格が1羽当たり2,000〜2,700インドネシアルピア(28〜38円:100ルピア=1.4円)であったのに対し、11月中旬には1羽1,000ルピア(14円)にまで落ち込んでいるという。これに加えて飼料原料価格と飼料輸送コストの上昇が問題をさらに深刻化させているとした。

今後の政府による対策

 同国畜産生産総局家畜衛生局長は、当事務所のインタビューに対し、「ニューカッスル病の発生自体はありふれたもので、今回に限ったことではなく、またアジアの他の国においても、従来から発生している」と述べた。

 今回、大規模な損害を受けた養鶏場の多くは中小規模のものであり、大手インテグレーターの農場での発生は通常レベルで制御されていた。同国では疾病予防に際し高価な輸入ワクチンに頼らざるを得ないため、資本力の弱い中小養鶏農家では十分なワクチン投与を行うことができず、またこのような養鶏場の大部分が開放型鶏舎のため、防疫対策も十分でなかったことが被害を拡大させた。一方、消費者はこの鶏の疾病を先ほど問題になったSARSと混同し、需要が伸び悩んでおり、国内養鶏産業におよぼす打撃は大きいとした。

 また、今後の対応方針としては、既に設置された有識者(政府関係者、大学、獣医師、業界関係者等メンバー10人)によるインドネシア養鶏疾病問題専門調査団(PAI)により状況を詳細に分析した上で、今後の家きん生産現場における防疫体制の整備に資するとしている。

 従来、同国ではニューカッスル病のワクチネ投与プログラムは、4日齢で1回、1週齢で1回、その後は3カ月ごとの投与が指導されていたが、今後は当面3〜4週ごとにワクチン投与を継続するようプログラムの変更を農家に指導するとともに、中小規模農家の疾病予防対策をはじめとする各種トレーニングのためのガイドラインの作成、それに続く説明会の開催を検討しているとのことである。


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