2004年第1四半期のブロイラー輸出


◇絵でみる需給動向◇


●●●輸出数量は前年同期比14.7%減●●●

 米国農務省(USDA)によると、2004年1〜3月におけるブロイラー輸出量(可食処理ベース)は、前年同期を14.7%下回る46万4千トンとなった。国別にみると、最大の輸出市場となっているロシアは、前年同期比32.5%減の12万6千トン、香港は同68%減の1万7千トンとなった。また、日本向けが27.7%減の4千トンとなった。昨年から断続的に発生している米国における鳥インフルエンザにより、日本をはじめ多くの国で米国産鶏肉の輸入一時停止措置が採られている影響が大きく反映される結果となった。

図1 米国鶏肉輸出量の比較
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:輸出量は、可食処理ベース

●●●輸出価格は上昇傾向●●●

 輸出価格(輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除したもの)は、米国国内での鶏肉価格の影響を受けて上昇が続いており、2003年の平均は前年比5.1%高のトン当たり669ドル(74,259円、1ドル=111円)となり、2003年1〜3月では、前年同期39.9%高のトン当たり816ドル(90,576円)となっている。国別にみると、日本向けは前年同期比10.7%高のトン当たり957ドル(10万6,227円)、次いで香港向けの同50.1%高のトン当たり927ドル(10万2,897円)、ロシア向け同50.8%高のトン当たり676ドル(75,036円)となっている。ここでも、米国内の鶏肉製品の価格高が反映される結果となった。

図2 ブロイラーの輸出価格
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:輸出量は、可食処理ベース

●●●2004年は輸出減少の見込み●●●

 USDAでは、2004年のブロイラー輸出量について、鳥インフルエンザの確認による日本をはじめ中国、ロシアで行われている輸入停止措置や輸出価格の上昇により昨年より16万トン減少し208万トンになると見込んでいる。ただし、米国産鶏肉の輸入停止措置が解除されれば、ほかの鶏肉輸出国における鳥インフルエンザの発生の影響から世界的に需給がタイトな状況であるため、増加に転じる可能性もあるとされる。


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