●●●輸出は前年同期比95.4%減●●●
米国農務省(USDA)によると、2004年1〜3月の牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年同期比95.4%減の1万6千トンとなった。
米国農務省動植物検査局(APHIS)によると、米国で牛海綿状脳症(BSE)が確認された2003年12月23日以降、日本をはじめ58カ国が米国からの牛および牛肉などに対し輸入停止措置を採ったとしている。6月4日現在、54カ国が輸入停止措置を継続しているため、米国からの輸出量は激減している。
図1 牛肉の国別輸出量の推移
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資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :各年第1四半期の数値(枝肉重量ベース) |
●●●輸入は前年同期比4.3%減●●●
2004年1〜3月の牛肉輸入量(枝肉重量ベース)は、前年同期比4.3%減の35万2千トンとなった。穀物肥育牛肉の最大の調達先であるカナダからが前年同期比9.4%減の11万2千トンとなった。これは、米国産牛肉の輸入停止措置により穀物肥育牛が米国内で消費される結果となったため、カナダからの輸入が減少しているものと考えられる。一方、米国内で主にハンバーガーなどの加工原料に仕向けられている豪州からの輸入が前年同期比11.9%
減の10万7千トン、ニュージーランドは25.0%増の10万トン、ブラジルは16.9%増の2万3千トン、アルゼンチンからは28.8%増の1万1千トンと前年同期を大きく上回った。
図2 牛肉の国別輸入量の推移
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資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注:各年第1四半期の数値(枝肉重量ベース) |
●●●2004年も各国の輸入停止措置は継続の見込み●●●
USDAは、今後の輸出について米国産牛肉の輸入停止措置が多くの国で継続されるものの、北米自由貿易圏の国々への輸出が大幅に増加するとして、2004年の輸出量は前年比18%減の4億6,500万ポンド(21万トン)になると見込んでいる。
一方輸入量は、米国内での肉牛飼養頭数の減少から主に加工原料用に仕向けられる経産牛などの価格の高騰により、安価なオセアニアからの冷凍牛肉や南米からの煮沸肉の輸入が増加するものとされる。
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