2004/05年度の世界の飼料穀物生産は増加の見込み


◇絵でみる需給動向◇

●●●記録的な生産量を予測●●●

 米国農務省(USDA)は、2004/05年度(2004年9月〜2005年8月)の飼料穀物の需給予測を発表した。これによると、世界の2004/05年度の飼料穀物生産は、昨年より3,400万トン増加し記録的な9億3,100万トンと見込まれている。

 増加の主な要因は、EU−25で昨年の干ばつが終息し収穫量も例年並みと予想されることから1,900万トン増加し1億4,000万トンとなるとしている。そのほかロシアなどで500万トンの生産増により2,300万トンとなるとしている。一方、インドなどでは異常な降雨の影響により200万トンの減少するとされている。米国以外の主要な飼料穀物生産国である中国では100万トン増加し1億2,400万トンとなるがトウモロコシの作付面積は高騰が続いている大豆への作柄変更により前年度比2%程度減少すると予測されている。

●●●主要な飼料穀物の生産●●●

 主要な飼料穀物を品目別にみるとトウモロコシ生産は、旧ソビエト圏以外の地域やEU−25で良好な天候が期待できることにより2,800万トン増加し記録的な6億4,300万トンになると見込んでいる。小麦生産は、EU−25や旧ソビエト圏で増加が見込まれることにより過去7年間で最高の400万トン増加の1億4,400万トンとしている。ソルガム生産は、インド、アルゼンチン、ブラジルで増加が見込まれ過去5年間で最高の100万トン増加の5,900万トンとしている。オーツ麦生産は、カナダ、EU−25で減少となるもののロシアで生産が増加し全体ではやや減少し2,600万トンとしている。ライ麦生産は、昨年の減少から回復し300万トン増加し1,700万トンとなるが、USDAの統計資料によると1960/61年度以来の低生産量となると見込まれている。

●●●消費増から期末在庫は低水準●●●

 世界の飼料穀物の生産は記録的なものとなる一方消費量は、中国での食肉産業での需要が増加し6年連続で生産量を上回るものとされ前年度比1%減少の9億4,900万トンとなり、その結果、世界の飼料穀物の在庫量は1,800万トン減少し1975/76年度以来最低の1億400万トンとなると見込まれている。なお、在庫量の減少は中国だけでみると2,100万トンの減少となっており、中国の需要の高さを反映している。しかしながら、EU−25において前年度比27%の増加など中国以外の地域では増加すると見込まれている。


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