支払乳価の予測を引き下げ


◇絵でみる需給動向◇


●●●NZ農林省が中期予測を更新●●●

 NZ農林省(MAF)が2004年5月に発表した中期予測(SONZAF)によると、2003/04年度(6〜5月)の生乳生産量は、前年度比4.2%増の124万トン(乳固形分換算、以下同じ)と前回予測から1万トン上方修正した。(なお、この予測は水不足や土地の利用制限などの特別な障害がない場合を想定している。)また、経産牛1頭当たりの搾乳量が今後とも増え続けることが見込まれることから、生乳生産量は一貫して増加を続け、2006/07年度には138万トンに達すると予測している。

 乳製品生産量は、生乳生産量の増加に伴い今後とも右上がりの成長を維持し、2006/07年度までには5%前後の増加が見込まれる。

図1 生乳生産量と生産者価格の推移
注1:03/04年度は推定、04/05年度以降は予測値
 2:生産者価格は乳固形分1キログラム当たりの価格

●●●国際価格はすべての品目で上昇●●●

 2003/04年度の乳製品輸出量は、前年度比2%減の180万トン(製品ベース)を見込んでいる。一方、乳製品の国際価格は、チーズ、バター、全粉乳、脱脂粉乳、カゼインのすべての品目で上昇するとみている。特に、チーズおよびバター製品価格の上昇が顕著だが、これは米ドル安の影響に加えて、供給にタイト感が表れたためである。

 NZ農林省は、乳製品価格は今後とも強気を維持するとみている。特に中国、東南アジアなどOECD非加盟国における乳製品の需要は、収入の増加、人口増、ライフスタイルの変化や健康志向などにより、増加が見込まれ、国際的な乳製品の需要を下支えするとしている。

図2 乳製品国際価格の推移
資料:MAF「SONZAF」
 注:03/04年度は概算、04/05年度以降は予測値

●●●支払乳価予測を下方修正●●●

 2003/04年度の支払乳価(全乳業会社支払乳価の平均)の概算は、2003年12月に公表した見通しより0.02ポイント引き下げ、乳固形分1キログラム当たり4.12NZドル(約293円:1NZドル=71円)に修正した。これは、NZ農林省の為替予測が変更されたことによる。また、2006/07年度までの支払乳価も、0.2〜0.8ポイントの範囲で見通しを下方修正している。

 現在のNZドル高の影響は、フォンテラのコスト削減効果および国際的な乳製品価格の上昇により、今のところ相殺されている。しかし、2005/06年度ごろにはその相殺効果が薄れ、フォンテラなど乳業会社の経営を圧迫することが予想されることから、今年度をピークに支払乳価は下落傾向で推移するものと見込んでいる。


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