酪農家総戸数は減少、1戸当たり頭数は増加


◇絵でみる需給動向◇


●●●総戸数は10年で4割減、8万6千戸●●●

 米国農務省(USDA)によると、2003年の酪農家戸数は、前年比5.4%減の8万6千戸となった。酪農家戸数は、一貫して減少を続け、過去10年間でみると41.8%減少したことになる。地域別にみると、伝統的酪農地帯である北東部から中西部の、上位5州(ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミネソタ、ニューヨーク、オハイオ州)で全米の総戸数の52%を占めている。特に生乳生産量が全米第2位のウィスコンシン州(生乳生産量全体の14.8%を占める)は、飼養頭数が1万7千戸、このうち飼養頭数が100頭未満の農家が83.4%を占めるなど、小規模な経営が中心となっている。一方、最大の生乳生産量(全体の約23.9%を占める)を誇るカリフォルニア州は、飼養頭数は2千400戸ながら、100頭以上を飼養する農家が80.4%となっており、大規模化進展しているが全米の飼養戸数に占める割合はわずか2.8%に過ぎない。

図1 酪農家戸数と1戸当たり飼養頭数
資料:USDA「Milk Production」
注1:酪農家戸数は、当該年に1度でも乳用経産牛を飼養したことのある経営体数
2:1戸当たり飼養頭数は、乳用経産牛頭数を当該年の酪農家戸数で除したもの

●●●1戸当たり飼養頭数は105.2頭●●●

 これに対し、1戸当たり飼養頭数は、規模拡大により経産牛頭数の減少割合が酪農家戸数の減少割合に比べて小さいことから、毎年着実に増加しており、2003年は、前年比5.1%増の1戸当たり105.2頭となった。経産牛の飼養規模別でみると、全体の48.3%が50頭未満と、依然として小規模酪農家が半数近くを占めている一方で、200頭以上の飼養戸数は、全体の9%であるのに対し、飼養頭数では56.3%と過半を占めるに至っており、規模拡大が進展している傾向にある。州別では、カリフォルニア州の1戸当たり700頭に対し、ウィスコンシン州が同75頭と地域による格差が顕著となっている。

●●●生乳生産は大規模層へ移行●●●

 飼養規模の拡大に伴い、大規模経営体の生乳生産に占める割合が拡大している。93年に36.3%であった200頭以上層の生乳生産に占める割合は、2003年には、61.8%まで拡大した。一方、50頭未満層の占める割合は93年の17.2%から2003年には7.2%と縮小した。カリフォルニアの場合、2003年における200頭以上層の生乳生産に占める割合は97.5%で、500頭以上層では全体の84.5%を占めた。

図2 飼養規模別生乳生産シェア
資料:USDA「Milk Production」
注:96年以前は、500頭以上層のシェアに関するデータが収集されていない



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