2003年、豚飼養戸数


◇絵でみる需給動向◇


●●●飼養規模は引き続き拡大●●●

 米国農務省(USDA)が飼養動向調査を基に発表した2003年の養豚経営の飼養戸数は、前年比4.6%減の73,600戸となった。飼養戸数は、全体の8割以上を占める飼養規模1,000頭未満の中小規模の経営を中心に減少の一途をたどっており、1千頭未満の経営体は3年前と比べ16.3%減少している。一方、飼養規模5,000頭以上の経営体は、毎年着実に増加し、2003年には全体の3.1%を占めるまでとなった。こうした中、2003年における1戸当たり平均飼養頭数は、大規模経営の進展を反映し、前年比5.1%増の820頭と初めて800頭台を記録するに至った。

図1 養豚飼養戸数および1戸当たり飼養頭数
資料:USDA/NASS「Livestock Operations」
注1:飼養戸数は、当該年に豚を飼養した実績のある経営
 2:1頭当たり飼養頭数は、各年12月1日現在の飼養頭数に基づき算出

●●●5,000頭以上の経営体が半数以上の豚を飼養●●●

 飼養頭数の規模別分布をみると、2003年において、飼養戸数全体のうち2,000頭以上の経営体が9.6%となり、総飼養頭数の77.0%を飼養している。5,000頭以上の経営体は53.0%と半数以上を占めている。豚の所有ベースでみると、総戸数110戸の5万頭以上の巨大経営体による2003年の総飼養頭数に占める割合は、前年の49.0%から50.0%とさらに拡大している。

図2 飼養規模別飼養頭数シェア
資料:USDA/NASS「Livestock Operations」

●●●収益は4年連続して黒字を維持●●●

 養豚経営の収益は、肥育豚価格が前年に比べ100ポンド当たり約3.8ドル(キログラム当たり1,324円、1ドル=111円)上回ったことで、生産コストの上昇分を補った結果、2003年平均で100ポンド当たり37.2ドル(キログラム当たり135円)と前年に引き続き黒字を確保している。2004年については、豚の総飼養頭数が増加基調にあるが、堅調な国内需要と牛海綿状脳症(BSE)の影響により牛肉の代替えとして輸出需要が期待できることから、肥育豚価格は引き続き上昇が見込まれる。


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