米国からの農産物輸入の実態         ● 中 国


消費者向け商品の原料となる農産物調製品が増加

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が公表した報告書によれば、中国では過去6年間で米国からの農産物および農産物加工品の輸入量が増加している。それによると2003年は高額の農産物輸出の象徴的な年であったとされる。農産物の輸出量は前年比42%増の8億6,300万ドル(957億9,300万円、1ドル=111円)、そのうち農産物調製品は、過去6年間で毎年平均30%以上の増加し、2003年は農産物全体の半数を超え4億3,900万ドル(487億2,900万円)とされる。それら農産物調製品の内訳は加工原料の一次産品、加工食品の原材料、小売用高額商品となっている。

輸入急増による関税分類上の問題

 USDAによると農産物調製品は過去6年間で4倍以上の伸びを示しているとされ、これらのカテゴリーの中に家きん肉、加工野菜および果樹、牛肉も含まれている可能性があり関税分類では「other」(その他のもの)とされ、2003年は家きん肉と牛肉を合わせて1億3,600万ドル(150億9,600円)に達するとしている。

 USDAは中国の関税分類において、関税分類番号の規程では各種の食料調製品として分類される2016.90番台「other」(その他のもの)において、米国からの輸出量が著しく増加していることに対し、中国経済の急成長に起因しているとしており、それらの製品の需要が特殊化され関税分類の判別を複雑にしていることが(その他のもの)の急増の要因であるとし、適正に分類されていない可能性を指摘している。

食料調製品の位置づけ

 これらの製品には次の2つの大きな特徴があるとされる。(1)伝統的に中国での供給量が少なく高価な品目であること。例えば内臓、高品質肉、家きん肉製品など、(2)ニッチなものであり国内供給が不十分でそれらの産業の進展が進んでいないものであること、(舶来品的イメージの食材や特殊製品(育紛や健康食品など)であり高価な外国製品)である。最近では好景気を背景に生活様式の西洋化の影響による食生活の変化に伴い需要はますます高度化、付加価値化へと変化しており、今後も食料調製品の輸入量が大幅に増加すると予測されている。

米国から中国への主な農産物の輸出額の推移
資料:US Custom

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