カナダにおける高病原性鳥インフルエンザ感染拡大


米国農務省、カナダから入国する車両の規制を開始

 米国農務省(USDA)は5月4日、カナダのブリティッシュコロンビア州における高病原性鳥インフルエンザの感染が拡大し、カナダ食品検査庁(CFIA)が設置した規制地域が同州に隣接するワシントン州との国境線を含むことなどを踏まえ、同規制地域から米国内に入国する養鶏関係の車両について洗浄・消毒を義務付けた。このため、CFIAは、国境に洗浄・消毒施設を開設した。

汚染農場は40農場に拡大

 CFIAが4月29日に公表した最新のサーベイランス結果によると、40の商業養鶏施設で高病原性鳥インフルエンザが摘発されている。感染施設は4月8日の時点では20施設であり、CFIAは4月13日には初発農場を中心とする半径5キロメートル以内の高リスク地域内のとう汰を完了したものの、その後も新たな感染農場の摘発が続いたため、規制地域として指定されたフライザーバレー地域内の感染農場および感染が疑われる農場を優先して規制地域内の家きんのとう汰を進めていた。

数次にわたり移動制限を強化

 CFIAは4月14日および同月20日に移動制限の強化を行った。4月20日以降の移動制限の概要は以下の通りである。

 (1)規制地域外への移動

  鶏卵を除く鶏由来製品については、カナダ国内の小売、ホテル、レストラン、公共施設のみに限定された製品である旨のラベルを添付し、連邦政府に登録された、食鳥処理施設、加工施設、保管施設への搬入を禁止。なお、規制地域外および国外から規制地域内に搬入された鶏肉製品については、搬入時の容器に入っているものに限り規制地域外への移動が可能。

 (2)一般的許可事項

 ・ バンクーバー国際空港内の施設を利用しない鳥、鳥製品のフライザーバレー地域外への移動。
 ・ 定められた加熱条件を満たす鶏肉、鶏肉製品の規制地域外への移動。
 ・ 感染施設から1km以上離れた施設からの食用鶏卵のブリティッシュコロンビア州内の小売業者への搬入。
 ・ 規制地域から出航する漁船内で消費される政府登録格付け施設の格付け済み洗浄鶏卵の移動。
 ・ 規制地域内での鶏肉製品および食用鶏卵の移動。
 ・ 規制地域内での鶏肉および鶏肉原料の移動。
 ・ 規制地域内での愛玩鳥の移動。

CFIAは養鶏関係者および国民に注意喚起

 CFIAはフライザーバレー地域内の養鶏業者に対して5月4日、再度同地域内の農場の訪問者に対する注意事項として(1)不用意に車両を養鶏施設内に乗り入れず、車両は施設外に駐車すること、(2)鳥インフルエンザをまん延する可能性のある鶏ふん、未格付けの鶏卵、飼料を含む鶏および鶏製品に接触する可能性のある衣類および靴については、極力自分が用意したものを着用することとし、洗浄消毒を行うこと、(3)家きん用の鶏舎などに立ち入らないこと、(4)定期的に車両の洗浄消毒を行うことを通知した。


元のページに戻る