2004年EUの牛と畜頭数はわずかに減少の見込み


◇絵でみる需給動向◇


●●●2004年後半は回復傾向●●●

 欧州統計局(EUROSTAT)によると、EU15カ国の牛と畜頭数は2004年上半期(1〜6月期)では前年同期に比べて1.7%減少するものと見込んでいる。2003年12月時点におけるEU15カ国の牛飼養頭数をみると、長期間にわたる牛飼養頭数の減少傾向に歯止めがかかったものとみられることから、2004年下半期(7〜12月期)では同0.7%減とその減少幅はさらに小さくなり、2004年全体では前年に比べて1.2%減の2,612万頭と見込んでいる。

●●●「雄・去勢牛」部門で前年比0.3%減●●●

 カテゴリー別にみると、2003年には前年に比べて2.9%減少した成牛のと畜頭数は、2004年では同1.1%減の2,053万頭、また、2004年の子牛のと畜頭数についても同1.4%減の559万頭とそれぞれわずかに減少すると見込んでいる。また、成牛のうち雄・去勢牛についても、2003年には同2.6%減少したものの、2004年では同0.3%減の1,015万頭と減少幅は小さくなると見込まれている。

●●●イギリス、アイルランドは増、フランス、ドイツは減●●●

 国別にみると、2001年初めの口蹄疫の発生などにより牛肉消費が落ち込んだ影響からと畜頭数が減少傾向にあったイギリスでは、近年の繁殖基盤の拡大により肉用子牛飼養頭数が増加したため、前年に比べて16.9%増の257万5千頭と見込まれている。また、主要牛肉輸出国であるアイルランドでは、2001年に発生した口蹄疫の影響により大きく減少した飼養頭数もほぼ回復し、同2.0%増の212万5千頭と2003年に引き続き増加が見込まれている。一方、EU最大の牛肉生産国であるフランスでは同2.7%減の707万5千頭、また、ドイツ、イタリア、スペインなど主要生産国においても、それぞれ同2.6%減、同1.2%減、同1.0%減と2004年のと畜頭数については、イギリス、アイルランドを除くほとんどの国で減少が見込まれている。なお、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、イギリス、アイルランドの6カ国でEU15カ国のと畜頭数全体の約8割を占めている。


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