EU、チーズなど乳製品の輸出補助金を大幅に引き下げ


◇絵でみる需給動向◇


●●●チーズの輸出補助金16.5%引き下げ ●●●

 欧州委員会は6月24日、EU乳製品管理委員会での決定を受け、チーズ、バター、脱脂粉乳など乳製品に対する輸出補助金の大幅な引き下げを決定した。同委員会によると、今回の引き下げは7月1日に引き下げられる介入価格や上昇する国際価格など世界の乳製品市場の動向を考慮したものであるとしている。

 現在の世界的なチーズ需要の増加を背景に、EU産チーズは国際市場においても競争力を強めている。そのような中、EUのチーズの輸出補助金については4月には前月から6.5%、5月には同7.6%の引き下げが実施されてきた。しかし、なおチーズの国際価格は上昇傾向にあることから、チーズに対する輸出補助金を今回さらに同16.5%引き下げることを決定した。この結果、EUのチェダーチーズに対する輸出補助金については、100キログラム当たり76.0ユーロ(約1万円:1ユーロ=135円)となった。また、特にEUからの米国向けチーズ輸出は増加傾向が顕著であることから、米国向けの輸出補助金については、66.0%(同7.72ユーロ(約1,000円))と大幅な引き下げを決定した。

●●● 脱脂粉乳、バターなども引き下げ ●●●

 脱脂粉乳や全粉乳の輸出補助金については、これまでも引き下げられているが、輸出許可申請件数がなお増加傾向にあることから、今回それぞれ100キログラム当たり35ユーロ(約4,700円)から同29ユーロ(約3,900円)、同75ユーロ(約1万円)から同70ユーロ(約9,500円)に引き下げられた。また、バターについても、7月1日に引き下げられる介入価格に適合するため、同141ユーロ(約1万9千円)から同135ユーロ(約1万8千円)に引き下げられた。なお、同委員会はバターや脱脂粉乳などについては、現在の乳製品国際市場の動向からさらに引き下げが必要であるとしている。



●●● EU、輸出補助金の撤廃を主張 ●●●

 多くの加盟国が今回のEUの乳製品に対する輸出補助金の引き下げについて、大変厳しい結果と捉えている中、欧州委員会は、輸出補助金は自己利益のためのものではなく、域内および国際市場を調整するためのものであり、今後、EUは輸出補助金なしで世界の市場シェアを取り戻す必要があると主張し、また、それが可能なものはまずチーズであるとしている。

 2004年に入りたびたび実施されるEUの乳製品に対する輸出補助金の引き下げや、昨年の共通農業政策(CAP)改革により導入され7月1日から実施されているバターや脱脂粉乳の介入価格の引き下げが、今後、域内の乳製品市場や堅調に推移する国際市場にどのような影響を及ぼすか注目される。


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