2004年上半期の生乳生産は微減


◇絵でみる需給動向◇


●●●生産量は過去最高を0.6%下回る●●●

 米国農務省(USDA)によると、2004年1〜6月の生乳生産量は、3,919万2千トンと前年同期を0.6%下回った。上半期としては過去最高であった2003年の記録を更新するには及ばなかったが依然として高水準で推移した結果となった。全米の生乳生産量の約7割を生産する主要10州では、同0.2%減の2,787万5千トンとなり、そのうち米国の約2割を生産するカリフォルニア州は同1.1%増824万4千トン、それに次ぐウィスコンシン州では0.8%減の506万3千トンとなり、中でも経産牛頭数の増加している新興酪農地域であるアイダホ州(5位)やニューメキシコ州(7位)では、それぞれ3.1%増と増加した。一方、伝統的な酪農地域のニューヨーク(3位)およびペンシルバニア州(4位)ではそれぞれ同3.4%、4.7%減と生産を減少させた。

●●●1頭当たり乳量増加により生産維持●●●

 生乳生産量の増加の要因は、1頭当たり乳量の伸びによると考えられる。2004年上半期(1〜6月)の平均経産牛飼養頭数は、前年同期比1.5%減の899万4千頭であったのに対し、この期間の1頭当たり乳量は、前年同期比0.4%増の4,358キログラムとなった。

●●●牛群縮小は停止の兆しも2004年は引き続き厳しい供給状態●●●

 一方、USDAによる7月1日現在の乳用更新用雌牛の飼養頭数は、前年並の360万頭となり、3カ年連続で減少していた牛群縮小傾向が止まったようにみられる。酪農家は昨年末からの生乳価格の値上がりで収益が改善されており、牛群の確保に積極的になっていることが背景にあるとみられる。

 USDAは、2004年の生乳生産量は、史上最高であった昨年をわずかに上回ると予想しているが、下半期も加工原料向け生乳を中心に引き続き厳しい供給状態が続くとしている。


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