●●●50ドル台3カ月連続●●● 肥育豚価格が堅調に推移している。米国農務省(USDA)によると、2004年7月の肥育豚価格(全米平均取引価格)は、前年同月比28.9%高の100ポンド当たり58ドル(キログラム当たり144円:1ドル=113円)と、2003年4月以降前年同月を上回って推移し5月以降3カ月連続の50ドル台となった(左図「肥育豚価格」参照)。また、1〜7月で見ると前年同期比2.7%高の100ポンド当たり40.9ドル(同102円)と30〜40ドル台半ばで推移した2002年の水準に比べ回復している。 ●●●需要が高値継続に貢献●●● このような肥育豚価格の高値維持は、飼養頭数は昨年から増加に転じているものの、繁殖用雌豚飼養頭数が依然増加に転じず品薄感があることに加え飼料価格の高騰が要因として挙げられる。またその他の要因としては、豚肉需要が極めて高水準で推移しているとみられ、特に外食産業からの根強い需要に由来していると考えられる。食肉業界が不信と言われる中ファーストフードチェーンの業績は伸びており、今後も需要が期待される。こうしたことから、豚肉卸売価格(カットアウトバリュー)は、2003年4月以降前年を上回って推移し、2004年1〜7月の平均では、前年同期比2%高の100ポンド当たり59.7ドル(同149円)となった(左図「豚肉卸売価格」参照)。 ●●●年平均では40ドル台半ばに落ち着く見込み●●● USDAでは、今後2005年に向けて飼養頭数が増加傾向となること、養豚経営の生産コストに大きな影響を与える飼料用トウモロコシ価格が2004/05年に向けて下降基調で推移していること、豚肉生産は秋に向かって季節的に増加する傾向にあることなどから、2004年平均の肥育豚価格は現在の50ドル水準から値下がりし、100ポンド当たり約45ドル(同112円)となると見込んでいる。 ●●●4年連続関税の緊急措置(SG)発動●●● USDAは、日本においてSGが4年連続で2004年8月1日から発動されることに関してその報告書の中で、米国で発生した牛海綿状脳症(BSE)とアジアや日本で発生した鳥インフルエンザを背景として、日本の消費者が豚肉を選択したことが、加速的に豚肉輸入を増加させた要因であるとした。また、日本の消費者は輸入品より国産品を好むが、輸入品が価格以上に高品質であることから浸透した結果であるとしている。 |
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