ブラジル政府、2004/05年度農業プランを公表


農業融資資金は前年実績比の45%増

 ブラジル政府は6月18日、2004/05年度の農業プランとして、農業融資政策およびその他の支援策の概略を発表した。同プランによると、2004/05年度には、営農、農産物および投資向けとして、農務省所管の融資制度資金は、前年実績の271億5千万レアル(9,503億円:1レアル=35円)を45%上回る394億5千万レアル(1兆3,808億円)が準備されることになる。このうち、総額の73%に当たる287億5千万レアル(1兆63億円)が営農および農産物向け、27%の107億レアル(3,745億円)が農業投資向けのそれぞれ融資に向けられる。これらの融資利息は、大半の項目において前年と同様に年8.75%に設定されている。

 営農融資およびEGF(農産物を担保とする連邦政府貸付)について作物ごとに定められる1農家当たりの融資限度は、サトウキビを除く全品目について前年と同様で変更されていない。大豆の場合は20万レアル、トウモロコシについては40万レアルである。

 また、農産物価格の下落リスクの低減を目的として農家に対し生産コストを保証する最低保証価格についても、前年の価格(トウモロコシについては、主産地の南部および南東部では60キログラム当たり13.5レアル)がそのまま継続された。

 なお、これとは別にブラジル農地開発省(MDA)の管理下にある家族農業者を支援するプログラムによる融資として70億レアル(2,450億円)が投入され、農業融資額全体では464億5千万レアル(1兆6,257億円)となる。

農業投資プログラムへの融資を強化

 今回発表された農業プランの中で、農業投資に対する融資資金が前年比86%と大幅に増加しているのが注目される。これは、政府にとって、持続性のあるアグリビジネスへの投資は、雇用の増加、経済規模の拡大と効率化、損失およびリスクの軽減、品質の向上や競争力の強化につながるものとして、重要視した結果とみられる。

 この中で、農業機械の近代化プログラムの融資資金が前年の20億レアル(700億円)から55億レアル(1,925億円)に引き上げられたほか、牧草の更新および土壌の回復プログラムに9億レアル(315億円)、かんがい施設および倉庫建設資金に7億レアル(245億円)が提供される。この項目では1農家当たりの融資枠は前年の40万レアルから60万レアルに拡大されるが、グループによる共同倉庫の建設に対しては、180万レアルまでの融資が行われる。昨年まで酪農家に対して行われてきたプログラムは小家畜、養蜂、花き、水産プログラムに含められ、その融資予算は従来の6千万レアル(21億円)から2億レアル(70億円)へと大幅に増加している。

 また、今回新設された仕組みとして、農牧活動に対する国内貯蓄資金の導入を図るアグリビジネス受取証券(CRA)、貯蔵中の収穫物を抵当物件として用いるための農牧倉荷証券(CDA)および倉庫証券(WA)や民間部門による販売オプション契約の実施などが発表されたが、それらの内容については、近く発表される施行細則で明らかにされる。

新プランに対する業界の反応

 ブラジル全国農業連盟(CNA)は、今年度の政府の農業融資資金は業界が必要とする資金(562億レアル、1兆9,670億円)としては不足であり、2003/04年度に比べ、生産コストの増加が予想される中で、融資限度や最低保証価格を変更せず据え置いたことは、生産者収益を低下させるものであるとの見解を示している。


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