全国畜産情報システム導入に向けた動き   ● ウルグアイ


上半期の牛肉輸出量は前年同期比27.6%増

 ウルグアイ国立食肉院(INAC)によると、2004年1〜6月の牛肉輸出量(冷蔵・冷凍肉および加工肉、枝肉重量ベース)は、前年同期の15万2,322トンから27.6%増の19万4,352トンとなった。また、輸出額は前年同期の1億5,662万ドル(170億7,158万円:1ドル=109円)から85.3%増の2億9,014万ドル(316億2,526万円)となった。ウルグアイでは、2001年4月の口蹄疫発生により、EU、米国、カナダ、イスラエルなどの主要な市場を失っていたが、同年11月のEUおよびイスラエルの解禁に続き、2002年12月にカナダ、2003年5月には米国が解禁となったことで、好調な輸出が続いている。中でも米国は全輸出量の6割を占める12万1,604トンと前年同期に比べ417.3%の大幅増となった。

市場拡大も視野に入れ、現行システムを改善

 一方、ウルグアイ農牧水産省は、食肉の安全性を家畜の衛生計画や家畜群識別トレーサビリティ計画を通じて管理している。しかし、移動、家畜衛生といった各部門において情報システムが共存していることから、効率的な運用を図るため、2002年より現行システムを改善し、全国畜産情報システム(SNIG)へ統一するための検討を行っている。これにより、EU市場やそれと同様の輸入条件を求める市場へのアクセスがさらに開けることが期待されている。

 SNIGでは、現行の群単位でのトレーサビリティシステムを強化するとともに、6月上旬から個体識別システムを導入するためのパイロットプランを実施している。

 現行のシステムの改善については、以下のような項目が挙げられている。

(1) データの一貫性を重視し、更新を容易にするため、単一集中データベースの作成

(2) 飼養頭数の申告書および移動許可証の改善

(3) 地理情報システム(GIS)の活用

100万頭分の耳標配布を予定

 個体識別システムは家畜移動許可証に基づく現行のシステムを補完するものとして機能することとなっている。

 このパイロットプランでは、全国の牛飼養頭数の約1割に相当する100万頭分の耳標が配布される。プランへの生産者の参加は任意であり、現在までに363名が加入し、12万9千頭へ耳標が配布された。農牧水産省では11月頃までに配布を終了したいとしている。

 各家畜は、(1)一見して家畜の識別が可能なビジュアルタグと、(2)同タグと同一の番号を電子的に保存するICタグ(RFID)の2つを装着する。これにより家畜を恒常的に識別する。ICタグに保存されるのは個体識別番号のみであり、その他移動などに関するデータはSNIGのデータベースに保存される。ICタグは耳標型あるいは飲み込み式のいずれも可能としているが、このプランにおいては、すべて耳標型が提供され、そのコストは2.065ドル(約225円)で、そのうち50〜65%が生産者負担となっている。

 なお、現行規程を分析し、SNIGの新規程を制定するなどの権限を持つSNIG調整委員会が組織され、システムに参加することとなった生産者へ耳標購入の許可証を配布するとともに、ユーザーに適切な情報とその情報の適正な使用のために研修の場を提供することとなっている。また、耳標を装着する家畜は、登録時には個体識別番号、生産者登録番号、出生年月、装着日、性別、品種といったデータを提出する。SNIGへのデータ提出手続きは、耳標の購入時に生産者に配布される用紙により行われ、これらのデータがシステムへ入力される。

 農牧水産省によると、9月にEUのミッションの訪問が予定されていることから、EU側の反応を見て今後個体識別システムを義務化するかどうかを判断するとしている。


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