豪州連邦政府、干ばつ支援を延長


1年間の延長措置

 豪州連邦政府のトラス農相は7月12日、現在も干ばつの影響下にある農家に対して、干ばつ対策として実施している例外的環境(EC)支援措置の適用を12ヵ月延長することを発表した。ECは豪州の干ばつや洪水などの災害対策の中心的な措置で、EC認定地域内の農家は生活保障的な手当や金利助成などを原則2年間にわたり受けることができる。

 同農相は今回の措置の発表に当たって次のように述べた。

(1) 最近の降雨にもかかわらず、干ばつの影響下にある農村地域の多くは、不安定な気候状況のため、回復の可能性は限定的である。

(2) 2002年12月に多くの地域がEC認定を受けたが、特に、ニューサウスウェールズ州南部やビクトリア州、クインズランド州の多くの地域ではまだ、厳しい干ばつの影響に苦しんでいる。

(3) 現在のEC認定地域は、豪州の営農可能な農地の6割以上に相当する58地域であるが、その中で、現時点でEC支援措置の延長が適用可能と見込める地域は33地域、さらに来年初めまでに14地域が適用の可能性がある。

  なお、この措置に伴う連邦政府の負担は、1億豪ドル(79億円:1豪ドル=79円)が見込まれている。

支援認定手続きを合理化

 現在のEC認定地域には約3万5千戸の農家があり、多くの地域において、ECの受給資格は2004年12月が期限であることから、迅速な手続きが必要となる。

 同農相は、EC認定の円滑な運用を図るため、延長措置の審査に対して合理化した手続きの導入を決定したことも併せて発表した。

 延長措置の審査手続きは、全国干ばつ特別委員会による該当地域の気候状況の審査と、当初のEC認定以来の農場生産に対する干ばつの影響の査定を主な柱とする予定である。この審査結果は、独立した諮問機関である全国農村地域諮問委員会(NRAC)に送付され、NRACは、連邦政府に対してEC延長措置として妥当か否かについて勧告することとなる。

 このように、今回の措置については連邦レベルでの審査が中心になるため、EC認定の前提条件であった州政府による干ばつ地域の指定などが省略され、EC認定の行政時間の短縮が図られるとともに、2002/03年度に認定されたEC認定地域の延長審査が現行認定期間内に行われることが可能になるものと見込まれている。

生産者団体は高く評価

 生産者団体である全国農業者連盟(NFF)は同日、連邦政府の今回の措置に対して、継続する干ばつに直面する農家に安心感を与えるものと高く評価した。

 特にEC認定に対して、NFFは地域によって濃淡のあるさまざまな気候状況や農産物の生産状況を考慮することを従来から主張していたため、今回の認定条件についてNFFの要請が反映されたとしている。また、簡素化かつ合理化された手続きについても、行政的な重圧を緩和するものと評価した。

 なお、今回の措置は、第一次産業大臣会議でも課題となっていたEC認定手続きの合理化など、将来の干ばつ時におけるEC支援措置の見直しの基礎となる要素も多く持ち合わせている。そのため、NFFは、今後の同会議でその応用が検討されることに期待を寄せている。


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