USDA、BSEに関する追加措置を発表     ● 米 国


FDA、SRMなどの食品原料、栄養剤および化粧品原料への使用禁止などを発表

 米国農務省(USDA)と同保健社会福祉省(HHS)は共同で7月9日、追加的なBSE予防対策に関する暫定最終規則を発表した。HHS食品医薬局(FDA)はこの規則において、(1)特定危険部位(SRM)、(2)すべての月齢の牛の小腸、(3)起立不能・歩行困難牛に由来するもの、(4)食肉検査および食用としての検査を実施していない牛由来のもの、(5)機械的除肉のものについては、栄養補助剤、栄養剤、人工乳、缶詰、冷凍食品、食品原料、食品添加物、化粧品、化粧品原料としての使用を禁止するとしている。なお、SRMは、30カ月齢以上にあっては、脳、頭蓋、眼、三叉神経節、脊髄、脊柱、背根神経節とし、月齢問わずすべての、扁桃、小腸の回腸端をその対象としている。

 また、今回の規則を確実なものにするために、食品および化粧品などの製造および加工業者は前述の禁止品が使用されていないことを示すような記録を保持する規則となっている。FDAでは、製造・加工業者が、と畜場(パッカー)などから原材料を仕入れる際、そこから加工禁止品が使用されていない旨の日付および署名入りの確認書を取ることを要求している。

 この規則は、90日間のパブリックコメント期間を設けるが、規則は7月14日から暫定施行するとしている。

SRMの飼料給与禁止措置などについては規則案制定事前通知により意見聴取

 今回のFDA規則の改正に関連してUSDA/APHIS(動植物検査局)、同FSIS(食品安全局)およびFDAは規則案制定事前通知(ANPR:Advance Notice of Proposed Rulemaking:連邦・州政府が法令を制定するに先立ち、法案を公開、広く一般より意見を聴取する制度)に基づき、次の内容について8月までに意見を聴取することとした。(1)飼料の製造、流通および農家段階での誤った飼料給与によって生ずる交差汚染の危険を回避するため、ペットフードを含むすべての動物飼料からのSRMの除去、(2)交差汚染を防止するため、製造および輸送時における飼料およびその原料の取り扱いおよび貯蔵のための専用の機材または施設の整備の義務付け、(3)交差汚染防止のため、すべてのほ乳類および家きん由来のたんぱく質の反すう動物飼料への使用の禁止、・起立不能・歩行困難(ダウナー)牛および死亡牛由来の原料をすべての動物飼料に使用することを禁止。

 また、USDA/APHISは、全国個体識別システム(National Animal ID)について、何時、どのような状況でこれを義務とするのか、そしてどの畜種を対象にするのが適切なのかなどについて意見を募集するとしている。

今回の発表に対し関係団体などがコメントを発表

 食肉パッカーの団体であるアメリカ食肉協議会(AMI)のボイル会長は9日、今回の規則に賛成であり、これが100%順守できるようサポートして行く旨のコメントを発表した。しかしながら、SRMの飼料給与禁止を反すう動物以外の動物に拡大することについては反対であるとしている。一方、全米の約300の消費者団体から構成されるアメリカ消費者連合会(Consumer Federation of America)は9日、政府は本年1月に発表された規則を速やかに施行すると約束したものの、これが6カ月間も遅れたことに対して批判するコメントを行っている。

◎カナダ政府、特定危険部位の飼料給与禁止規則を発表

 カナダ政府は9日、BSE対策の追加措置として、家畜飼料へのSRMなどの使用を禁止する措置を講じると発表した。カナダでは、1997年以降、反すう動物由来飼料の反すう動物への給与は禁止されているが、今回から豚や鶏の飼料でもSRMや死亡牛由来のたんぱく質の利用が禁止されることとなる。


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