上院下院ともに圧倒的多数で承認 米国上院は7月15日に行われた本会議で、米国と豪州の間での自由貿易協定(FTA)を賛成80票、反対16票の圧倒的多数の賛成を得て承認した。同協定は既に14日に行われた下院でも賛成314票、反対109票で承認されており、今後、米国内ではブッシュ大統領による署名手続きを残すのみとなった。 セーフガードに守られる牛肉 加工原料用牛肉についてはFTAに基づく15,000トンの特別なTRQを設定し、これを18年間で70,000トンまで拡大する。ただし、米国におけるBSEの発生に伴う影響を勘案し、米国の牛肉の輸出量が2003年の水準まで回復するか協定の発効から3年のいずれか早い時期まで、TRQの割り当ては行わない。また、枠外税率については9年後から漸減し、18年後には廃止する。9年目から18年目までは、加工原料牛肉の輸入数量が当該年のTRQの数量の110%を上回った場合、最恵国待遇で適用される関税とTRQの枠外税率の差の75%に相当する関税を追加的に賦課する数量ベースのセーフガードが発動される。 乳製品TRQは毎年漸減 乳製品については、世界貿易機関(WTO)の農業交渉結果に基づきTRQが設定されている品目を除き、FTAに基づく特別なTRQを設定し18年間で関税を撤廃する。関税の漸減は基本的には18年間で均等に行われる。毎年度のTRQ枠の拡大は、山羊のチーズ(TRQ枠の拡大率5%)、クリーム、アイスクリームなど(同6%)、スイスチーズ、ヨーロッパータイプのチーズなど(同5%)、脱脂粉乳を除く粉乳(同4%)、チェダーチーズ、アメリカンタイプチーズ、脱脂粉乳、バター(同3%)とされている。 早期解決が望まれる動物検疫問題 米側はこれまで一貫して豪州側の検疫措置が過度に厳しく、検疫当局による作業の進捗が遅いことに懸念を抱いてきた。動物検疫問題については、同協定の下で米国農務省動植物検疫局と豪州の検疫当局(バイオセキュリティーオーストラリア)との間で技術作業部会を立ち上げることとしており、今後、米国産牛肉のBSE発生に伴う輸入禁止などの問題について議論が行われる予定である。 |
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