好調な第3四半期の生乳生産動向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第3四半期の生乳生産量は4.2%増 ● ● ●

 2005年の生乳生産量はほぼすべての月で前年を上回って推移している。米国農務省(USDA)によると、米国の2005年第3四半期(7〜9月)の生乳生産量は前年同期比4.2%増の1,996万9千トンとなった。年度累計(1〜9月)でみると、同3.2%増の6,029万4千トンとなっており、2月を除くすべての月で前年を上回った(左図参照)。主要23州での搾乳牛頭数が増加傾向にあるのに加えて、1頭当たりの乳量が過去3年にわたって上昇が続けていることから、夏にかけて生乳生産は飛躍的に伸びた。牛成長ホルモン(BST)の供給量は平年並みにまで回復しており、生乳生産の拡大を後押ししている。

図1 生乳生産量と搾乳牛頭数の推移

資料:USDA


● ● ● 1頭当たりの乳量は3年連続の増加 ● ● ●

 1頭当たりの乳量が過去3年にわたって上昇が続けている。USDAによると、米国の2005年第3四半期(7〜9月)の1頭当たりの乳量は前年同期比3.9%増の2,205キログラムとなった。年度累計(1〜9月)では同2.9%増の6,678キログラムとなっており、2001年8月以降3年にわたって上昇傾向が続いている。

 USDAによると、2005年夏は大部分の地域で猛暑に見舞われたが、BST供給量の増加、高い水準にあった飼料在庫、更新意欲の高まりに支えられて、猛暑の影響はほとんどなかったとしている。また、過去最高の利益を記録した2004年に続き2005年も高い水準に達することが期待されることから、搾乳牛頭数も緩やかな増加傾向が続いている。

図2 1頭当たりの乳量の推移

資料:USDA


● ● ● 生産者販売価格は伸び悩み ● ● ●

 生乳生産量の拡大を受けて、生産者販売価格は伸び悩んでいる。USDAによれば、2005年10月の生産者販価格は前年同月比1.3%安の100ポンド当たり15.4ドル(キログラム当たり約40円:1ドル=117円)と7カ月連続で前年同月を下回った。


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