● ● ● 2004年は前年比1.0%減 ● ● ●
ドイツ市場価格情報センター(ZMP)が公表したEU15カ国の2004年の生乳生産量は、前年比1.0%減の1億1,455万トンとなった。EU15カ国の生乳生産量(乳業メーカーへの出荷量)は、1984年の共通農業政策(CAP)改革により域内の生乳需給の安定を図るため実施されている生乳生産割当(クオータ)制度の影響もあり、2000年以降は微増傾向で推移していた。
2004年の生産量はわずかながら4年ぶりに前年を下回ったことになるが、EU15カ国の生乳生産量は安定的に推移していると言える。
● ● ● 主要国はいずれもわずかに減少 ● ● ●
生産動向を国別にみると、域内で生産量が最大のドイツが前年比0.7%減の2,738万トン、2番目に大きいフランスが同0.9%減の2,291万トン、次いでイギリスが同3.7減の1,412万トンとわずかに減少した。
一方、新規加盟国(NMS)の中では、ポーランドの毎月の生乳生産量が前年を上回っており、前年比6.5%増の783万トンとかなりの程度増加した。
● ● ● 明暗を分ける乳製品の生産動向 ● ● ●
生乳生産が安定的に推移する中で、2004年における乳製品の生産量に目を転じると、脱脂粉乳が前年比22.0%減と大幅に減少して82万トンとなったほか、バターが同2.0%減の168万トンとなった。一方、チーズは同1.5%増の669万トンと逆に増加している。
EUのチーズ生産は世界最大のシェアを誇っており、域内の消費量の増加や輸出需要の高まりを受けて生産量が増大する傾向が続いている。こうした高付加価値な乳製品であるチーズ生産へシフトする傾向は今後も続くものと思われる。
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