● ● ● 総飼養頭数は前年比0.6%増の5,990万頭 ● ● ●
米国農務省(USDA)が四半期ごとに公表する豚飼養動向調査によると、2005年第1四半期(3月1日現在)の豚総飼養頭数は、前年に比べて0.6%増の5,989万9千頭となった。1999年以降の調査で最多となった2004年第3四半期(6,151万9千頭)以降2期連続で減少したものの、2003年第3四半期より7期連続で前年同期を上回ったこととなり、近年高値で推移する肥育豚価格を背景に肉豚生産は高水準で推移している。
飼養区分別にみると、繁殖豚(雄を含む)は前年比0.3%減の594万1千頭、肥育豚は同0.7%増の5,395万7千頭となった。また、肥育豚を体重階層別にみると、60ポンド(約27キログラム)以上では同1.2%増の3,414万1千頭、60ポンド未満の子豚は前年とほぼ同程度の1,981万7千頭となった。
また、2004年(前年12月〜当該年11月)全体の子豚生産頭数は前年比1.2%増の1億246万頭で、前年は8.85頭/回であった繁殖用めす豚1頭当たりの平均産子数は、8.94頭/回と近年増加傾向にある。
● ● ● アイオワ州は前年比4.5%増、ノースカロライナ州は同2.0%減 ● ● ●
飼養頭数を州別にみると、飼養頭数が全米で最大のアイオワ州では前年に比べて4.5%増の1,620万頭、また、イリノイ州では同3.9%増の400万頭となった。一方、アイオワ州に次ぐ主要生産州であるノースカロライナ州やミネソタ、インディアナ州では、それぞれ同2.0%減、同3.1%減、同4.8%減となった。なお、これら上位5州で全米全体における飼養頭数の約65%を占めている。
● ● ● 2005年第1四半期のと畜頭数は前年同期比0.9%減 ● ● ●
2005年1〜3月の豚と畜頭数をみると、1 月および3月で前年をそれぞれ3.5%、1.4%下回り、第1四半期全体では前年同期比0.9%減の2,549万3千頭となった。一方、同期の豚肉生産量(枝肉重量ベース)は、1頭当たりの枝肉重量の増加により、ほぼ前年同期並み(0.1%増)の232万8千トンとなった。
2004年の豚肉生産量は、(1)BSEや鳥インフルエンザの影響による好調な豚肉輸出、(2)高値で推移した肉牛および牛肉価格−などを背景とした国内外における豚肉需要の高まりを受け過去最高となった。USDAによると、米国産豚肉に対する需要の高まりは、(1)肉牛の供給不足により牛肉価格が引き続き高水準で推移すること、(2)2005年を通じて為替がドル安傾向で推移すること−などにより、今後2年間程度は継続するものと予想され、2005年の豚肉生産は前年比0.6%増の935万5千トンとさらに増加するものと見込まれている。
豚と畜頭数の推移
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資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」 |
豚の飼養動向(2005年3月1日現在)
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資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」
注1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計
2:前年比は2004年3月1日現在、前回比は2004年12月1日現在のデータとの比較 |
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