EU25カ国の牛と畜頭数の減少続く


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年の牛と畜頭数、前年比2.3%の減少 ● ● ●

 欧州統計局(EUROSTAT)はこのほど、2005年のEU25カ国の牛と畜予測を公表した。それによると、欧州域内の牛と畜頭数は減少傾向が続き、EU25カ国の2005年のと畜頭数は前年比2.3%減の2,975万頭となる見通しである。

 これを地域別にみると、全体の9割近くを占めるEU15カ国の2005年のと畜頭数は、前年比2.0%減の2,610万頭となるとしている。一方、新規加盟国(NMS)は同4.1%減少して365万頭となり、NMSの減少幅がEU15カ国のそれを上回る予測となっている。

 なお、2005年下半期(7〜12月)のと畜頭数は、同年上半期(1〜6月)と比べて51万頭多くなると見込まれていることから、2006年はと畜の減少傾向が弱まる可能性もある。

 

● ● ● 上位国はほとんどが減少する見込み ● ● ●

 2005年のと畜予測を国別にみると、と畜頭数の上位5カ国(全体の63%を占める)のうち、第3位のイタリアを除けば軒並み前年を下回るとされている。特に、第2位のドイツは前年比4.6%減の459万頭となる見込みで、上位5カ国の中では最も大きい減少率となっている。これは、2005年から施行される「生産とは切り離した直接支払い(デカップリング)」を見越して、2004年に駆け込みでと畜を行ったことが大きく影響するとされている。ちなみに、2004年のEU15カ国のと畜頭数が前年比0.2%減の2,663万頭と減少する中で、ドイツは480万頭と4.0%増加している。

 

● ● ● 飼養頭数も減少傾向 ● ● ●

 同様に、欧州統計局が発表したEU25カ国の2004年の牛飼養頭数(5月/6月)は前年比1.6%減の8,868万頭となり、減少傾向が続いている。地域別にみると、EU15カ国が前年比1.5%減の7,862万頭、NMSが2.4%減の1,006万頭といずれも減少した。

EUの牛と畜頭数の推移
資料:欧州統計局

元のページに戻る