農畜産業の祭典「ロイヤルイースターショー」




ひとくちMemo

 豪州の二大家畜農業祭の一つとされるシドニーの「ロイヤルイースターショー」は、1998年からシドニーオリンピックも開催跡地されたオリンピックパークに場所を移し、装いを新たに始まった。2005年は3月18日から31日までの14日間にわたって開催される。1823年、ニューサウスウェールズ(NSW)州農業協会の主催で家畜の品評会として始まったこの催しは、年々規模を拡大し、現在では、家畜品評会を中心にNSW州全域で生産された乳製品や農産物、また、加工品などの展示即売会の場として活用されている。150年以上を経過した今でも、畜産や酪農を身近に感じられる場所として、また、老若男女を問わず楽しめるイベントとして地域住民に広く親しまれている。会場内では、丸太切り大会や子豚のレースなどさまざまな催し物も繰り広げられ、移動遊園地などのアトラクションも設置されている。開催期間中の入場者数は、イースター休暇を挟むこともあり、家族連れなどを中心に100万人にも及ぶ。


 

期間中は、シドニー市内各所に「ロイヤルイースターショー」開催を告げるのぼりがはためき、雰囲気を高めている。


ロイヤルイースターショー最大のイベント、家畜品評会授賞式の風景


写真はキャトル・ジャッジで見事一等賞に輝いた種雄牛の面々

左上から右にアンガス、リムジン、マレーグレイ、ブラーマン、ヘレフォードの各種


会場では、小動物のセリも行われ、品評会で受賞した家畜などを中心に販売される


メインイベントの1つとして不動の人気を誇る丸太切り大会。地元オーストラリアを始めニュージーランド、米国からも選手が参加し、白熱した戦いを繰り広げる。


カウボーイ達による牛の追い込みショー。
巧みに馬を操りながら、牛をパドックへと追い込んでいく。


人気イベントの1つ、「ミス・ビギー」こと子豚の障害競走。飛び込み台から水中へと華麗なジャンプをみせる子豚も登場し、会場を沸かせる。


畜産への理解を目的に、酪農コーナーに設置された搾乳施設では、子供たちを相手に搾乳の様子がわかりやすく説明される。また、動物コーナーでは、さまざまな動物の展示や、子羊などとのふれあい広場が設けられ、家畜を身近なものと感じさせている。




 
  「ロイヤルイースターショー」での子供達の最大のお目当て、「ショーバック」売り場。何十種類ものお菓子やおもちゃの詰め合わせが安価で販売される。このコーナーを目当てに入場する子供も多いが、会場内で実際に牛や羊にふれあい、また、さまざまなイベントを楽しむことで、少しずつ農畜産業への興味や理解が促進されていく。



(シドニー駐在員事務所 横田徹、井上敦司)


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