米国のトウモロコシの2004/05年需給予測


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 作付面積は1985年以来の高水準 ● ● ●

 米国農務省/海外農業局(USDA/FAS)が3月に発表した作付予測によると、2005年のトウモロコシの作付面積は、前年比0.6%増の3,295万ヘクタールと、1985年以来最高水準に達すると予測されている。作付面積はコーンベルトおよびグレートプレーンズ南部を中心に増加が予測されており、カンザス州で同9.7%増の138万ヘクタール、イリノイ州で同2.1%増の486万ヘクタールとなった。一方、サウス・ダコタ州では、トウモロコシ主要生産州の中で、唯一作付面積の減少が予測されており、前年比5.4%減の178万ヘクタールとなっている。

 USDAによると、ミシシッピ・デルタ地帯やグレートプレンズ南東部および北部諸州では、トウモロコシ価格の下落、原油価格の高騰および肥料コスト高を背景に、農家が利益率の高い穀物への転換を志向しており、同地域の作付面積は減少傾向にあるとしている。

 

● ● ● 生産増で需給の緩和傾向が進展 ● ● ●

 USDAが3月に更新した予測によると、2004/05年度(穀物年度、9月〜8月)のトウモロコシ生産量は、作付面積の拡大を反映して、前年度比17.0%増の118億700万ブッシェル(3億トン)になると見込まれている。

 一方、流通動向をみると、トウモロコシ国内消費は88億7,000万ブッシェル(2億2,500万トン)と前年度比6.4%増にとどまり、生産量の伸び率を下回ると見込まれている。トウモロコシ輸出は、アルゼンチンなど競争国の輸出増などを背景に減少が予想され、同2.5%減の18億5,000万ブッッシェル(4,700万トン)と予測されている。

 こうしたことから、2004/05年度は一段と需給の緩和傾向が進むと見られており、トウモロコシ在庫も前年度比114.5%増の20億5,500万ブッシェル(5,200万トン)と、在庫の積み増し局面を迎えるとされている。

 

● ● ● 生産者価格は前年度比で下落、前月比で上昇 ● ● ●

 生産者価格は前年度と比較すると一層の下落が予測される。USDAによると、2004/05年度のトウモロコシ生産者価格は、前年度比で11.2%〜19.4%安のブッシェル当たり1.95〜2.15ドル(211〜232円、1ドル=108円)と予測されている。

 ただし、生産価格の直近の値動きを見ると、値上がりに転じて上昇傾向にある。USDAの予測を前月で比較すると、4.7〜5.4%の上昇となっている。USDAによると、在庫の積み増しにもかかわらず、トウモロコシの市場価格も生産者価格高に引きづられる形で、先高観が強まり、価格が上がるとされている。


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