ブラジルとアルゼンチンの乳製品価格協定が決着


ブラジル、1年かけて再度協定を結ぶ

 ブラジル開発商工省は2004年2月、アルゼンチンの輸出乳業メーカー8社と2001年2月から実施してきた粉乳の価格協定の再検討に当たり、価格調査の対象期間を2003年1〜12月、見直しに要する期間を12カ月間とすることを発表していた(「畜産の情報(海外編)」2004年5月号P27〜28を参照)。

 このことに関し今般、同国の貿易関係閣僚が集まり開発商工相が議長を務める貿易審議会(CAMEX)が決定した決議第2号(2005年2月17日付け)が2月18日付け官報により公布された。

 決議によれば、前回の価格協定と同じ乳業メーカー、同じ品目を対象に協定が結ばれ、1トン当たり粉乳輸出価格(以下「輸出価格」)は、以下の計算方法で決定されることとなった。なお、この協定の有効期限は公布日から3年以内とされている。

(1) 米国農務省(USDA)が2週間ごとに発表するオセアニアの1トン当たり粉乳最低価格を基準に最低相場(以下「最低相場」)を算出するが、これは発表された最低価格の直近2回分の単純平均とし、15日間ごとに更新される。

(2) 最低相場が1900ドル(約20万円、1 ドル=106円)まではその価格が輸出価格となり、それ以下は50ドル(約5千円)単位で調整率2%が加算された価格が輸出価格となる。ただし一つ上の階層(50ドル単位)の輸出価格以上とはならない。

(3) 最低相場が1650ドル(約17万円)以下となった場合、調整率10%以上は加算されない。なお調整率10%は、メルコスル対外共通関税などを根拠に算出しているため、関税率の変更により自動的に変更される。

(例)
 最低相場:1900ドル→輸出価格:1900ドル
 最低相場:1870ドル→輸出価格:1870×1.02=1907.4ドル
 (※但し、一つ上の階層1900ドルが輸出価格)
 最低相場:1850ドル→輸出価格:1850×1.02=1887ドル
 最低相場:1650ドル→輸出価格:1650×1.10=1815ドル

 なお、もし最低相場が1600ドル以下だとしても、調整率10%が上限。



アルゼンチンもブラジルと価格協定締結予定

 一方このことについて、アルゼンチンの乳製品輸出会社で組織する団体(Centro de la Industrial Lechera:CIL)はコメントを出していなかったため質問したところ、「前回はアルゼンチンの粉乳のみが対象となっていたが、今回の協定は双方向のもので、ブラジル側が発表した措置と同様の民間協定が2月18日に締結され有効になっている。」との回答であった。なお、これらの協定を監視するモニタリング委員会が設置される予定となっているが、4月13日現在、まだ設置されていない。


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