主要5カットの小売価格を10%値下げ アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)は3月15日、必需食料品の一つである牛肉小売価格の最近の上昇傾向に対し、国民の購買力を保護するため、アルゼンチン食肉商工会議所(CICCRA)など食肉関係の5団体と、小売価格を最低10%値下げすることについて合意した。対象となるのは骨付きバラ、リブロース、ひき肉、カタ、すねの5部位で、現時点より約10%安であった1月最終週から2月第1週の価格水準まで戻し、その価格を合意書署名の日から90日間維持するか、またはさらに水準以下まで値下げするとしている。食肉団体によると国内で生産される牛肉の85%が国内で販売され、国内消費分の35%がこれらの部位に当たるとされる。さらに政府および民間それぞれの部門の代表で構成する委員会が上記5部位の価格の推移について定期的な報告を行うことも合意内容に含まれている。
牛肉小売価格の上昇の背景には、好調な輸出や生体価格の上昇が挙げられている。
さらに3月17日には、牛肉と同様に価格の上昇がみられる鶏肉についてもSAGPyAとアルゼンチン養鶏加工協会(CEPA)の間で合意がなされ、合意書署名の日から90日間、丸鶏の卸売価格は2.70ペソ(97円)に付加価値税をプラスした価格に値下げをするとしている。CEPAによると、この結果小売価格は現在1キログラム当たり4.10ペソ前後から3.80ペソ程度へ値下げをする見込みとなる。
必需食料品の値上がりを抑制するため政府が努力する中、4月5日にINDECが公表した消費者価格のデータによると、3月の消費者物価の上昇率が高いのは、政府の意に反して、政府と企業の協定が成立した製品となっている。10%の値下げが合意された牛肉5品目については前月比でそれぞれ、リブロース、ひき肉が8.8%、骨付きバラが7.4%、すねが10.2%、カタが8.3%と、2月の消費者物価の上昇率をそれぞれ1.5〜2倍の範囲で上回った。また、鶏肉については、小売価格が1キログラム当たり3.80ペソとなるように卸売価格を調整するという合意が成立していたが、3月の鶏肉平均価格は3.95ペソと2月に比べ9.7%高となっている。政府は牛肉の値下げが実施されなければ、輸出税の引き上げも視野に入れるとしている。 |
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