耳標代は1個当たり2.60豪ドル
ニューサウスウェールズ(NSW)州政府は先ごろ、電子耳標を利用した牛の個体識別制度である全国家畜個体識別制度(NLIS)で使用する耳標代の一部を補助すると発表した。これにより、生産者は、3月14日からNLIS用耳標を1個当たり2.60豪ドル(218円、1豪ドル=84円)で購入可能となり、現行の3.35〜4.00豪ドル(281〜336円)に比べ約0.75〜1.40豪ドル(63〜118円)相当額が補助されるものとみている。NSW州は2005年7月1日から、すべての牛について耳標を装着することを義務付けている。NSW州全体では約300万個の耳標が補助対象となる。なお、NSW州政府は、州内市場の耳標読取装置の設置や更新費用などにも補助を行っている。
豪州肉牛協議会(CCA)は、このNSW州政府の決定に対し歓迎の意向を表明している。NSW州政府が採った耳標代への補助は、ビクトリア(VIC)州、南オーストラリア(SA)州、西オーストラリア(WA)州に続くものであり、CCAでは、州政府が耳標代への補助を決めていないクインズランド(QLD)州やタスマニア州(TAS)、北部準州(NT)の生産者が、耳標代に州間で格差が生じるため、州政府に補助を行うよう求めるとみており、「QLDなどの州政府はNLISの耳標代の補助制度の導入について、大きな関心を寄せるべき時だ」と述べている。
CCAはさらに、昨年10月に行われた総選挙の際に与党が公約として掲げた2千万ドル(16億8千万円)のNLIS導入に関するコスト支援について連邦政府との話し合いを早急に進めたい意向を示した。
豪州各州では、羊についても電子耳標による個体識別制度を2005年7月から実施する予定になっている。最近の報道によると、いくつかの問題により期日どおりの実施が危ぶまれているとのことである。問題の一つは、羊肉協議会が推奨している2つの耳標の使用についてである。誕生地から他の農場へ移動した羊は、誕生地でつける耳標と他の牧場へ移動した時につける耳標が必要になる。これについて、関係者から、複雑すぎるし経費がかかりすぎるなどの不満の声が挙がっている。 |
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