新基金、海外市場回復のために緊要
カナダ農業・農産食料省(AAFC)は3月10日、カナダ肉用牛生産者協会(CCA)が新たに管理する基金(The Legacy Fund)に5,000万カナダドル(45億5,000万円、1カナダドル=90円)を拠出すると発表した。この新たな基金は、本年4月から10年間の基金として設定される。なお、当該基金は、カナダ牛肉輸出連合会(CBEF)、牛肉情報センター(BIC)、カナダ肉用牛繁殖協議会(CBBC)が実施する国内外の市場回復を目的とした積極的な販売促進活動などをサポートするために利用される予定となっている。ミッチェル農業大臣は、「カナダから米国向け生体牛の輸出停止を含む各国の貿易停止措置が続く不安な状況の中、国内外の市場の回復と拡大に力を注ぐことが緊要である。この基金の拠出により、政府と牛肉業界は連携して市場回復のための積極的な販売促進活動を行うことになる」と述べた。
アルバータ州政府は3月7日、カナダ産牛肉の輸出市場の回復などを目的として3,700万カナダドル(33億3,000万円)を新基金に拠出すると発表した。これを受けエビーCCA会長は、「カナダの牛肉業界は以前の水準には満たないが、2004年には69カ国の海外市場に牛肉輸出を行っており、今後さらに積極的に海外市場の回復と拡大を図るべきである。今回のアルバータ州政府の取り組みは、海外市場との連携回復の第一歩となる」と述べた。
CCAは2004年9月、牛肉業界復活のための戦略として、(1)国内・海外市場の拡大、(2)牛トレーサビリティシステムの強化、(3)カナダのBSEサーベイランス調査対象の拡大、(4)カナダ国内のと畜能力の増大─を掲げていた。今回の新基金の創設に当たり、CCAはこの戦略を再度検証し、効果的な基金の利用方法検討するとしている。
米国会計検査院(GAO)は3月14日、食品医薬品局(FDA)が実施している飼料規制に対する管理運営状況についての報告書を公表した。GAOは2002年に、FDAの飼料規制の執行状況について飼料検査の改善点などを指摘していたが、2003年12月の米国内でのBSE発生を踏まえ、ハーキン上院議員などから管理運営状況について再調査を行うべきとの要請を受けていた。GAOは、FDAによる飼料規制の管理に改善が見られるものの、検査対象施設の増加などが必要と報告している。 |
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