養鶏部門のハリケーン被害は一時的


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● ハリケーン被害で第3四半期生産予測を下方修正 ● ● ●

 懸念されていた養鶏部門のハリケーン被害は一時なものとなるとされている。米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は、8月末に米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの影響から、第3四半期のブロイラー生産予測を、前月予測から3万4千トン下方修正し412万8千トンと見積もった。しかし、前年同期と比較すると3.0%上回っており、ハリケーンの影響は限定的なものとなっている。

 米国のブロイラー生産は、ハリケーン被害が甚大であったアラバマ州およびミシシッピ州を含む南東部ブロイラーベルトに集中していることから、その影響が懸念されていた。しかし、USDAによると、被害の範囲は鶏舎の破損、電力の供給停止、燃料の不足などにとどまっており、ブロイラー生産への影響は極めて小さいとされている。

 

● ● ● ● ● ● ハリケーン被害総額は1,500万ドル ● ● ●

 USDA首席エコノミスト室は9月19日、米国農業におけるハリケーン被害の予備評価に関する報告書を発表した。それによると、アラバマ州ではブロイラー生産の60%がハリケーンによる暴風の被害を受けたのに対して、ミシシッピ州で被害を受けたのはブロイラー生産の5%にとどまり95%がハリケーンによる暴風の被害に耐えたとしている。農家への被害は、アラバマ州で20万羽のひなが失われ、ミシシッピ州で600万羽の成鳥と2,400の鶏舎が被害を受けた。米国全体の家きん被害は620万羽に達し、被害総額は1,500万ドル(17億1千万円:1ドル=114円)と見込まれている。輸出への影響は、輸出関係者がハリケーンによる混乱を最小限に抑えるため、他の代替港を利用することが期待されることから、一時的な影響にとどまるとされている。

養鶏部門のハリケーン被害状況

資料:USDA首席エコノミスト室

 

● ● ● 第4四半期のブロイラー生産は3.1%増 ● ● ●

 USDA/ERSによると、第4四半期のブロイラー生産予測は、前年同期比3.1%増の399万2千トンになると見込んでいる。第4四半期のひなふ化羽数は、第3四半期の伸びが前年同月と比べてほぼ横ばいであったことから、引き続きひなの更新が低調のまま推移することが予想され、その影響でブロイラー製品の価格上昇が見込まれる。USDAによれば、第4四半期の丸どり卸売価格(12都市平均)予測は、前年同期比4.0〜9.8%高の71〜75セント(81〜86円/キログラム)と予測されている。

2005年ブロイラー予測

資料:USDA/ERS
注:2005年第3四半期以降は予測


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