米国、世界の飼料穀物需給


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 米国のトウモロコシ、大豆生産量は前年度に続き高水準 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が9月に公表した米国の飼料穀物需給予測によると、米国の2005/06年度のトウモロコシ生産量は270百万トン、大豆生産量は78百万トンに上方修正され、トウモロコシ、大豆とも前年度に続き高水準の生産量となる。トウモロコシの輸出量は、メキシコ国内の生産量の減少とエジプト、イランの輸入量の増加から、5,150万トンに到達するとのことで、世界の需要量がわずかであるが減少する中にあって、7年ぶりに増加が見込まれている。また、大豆の輸出量は3,000万トンと見込まれており、これは過去最大の輸出量となる。トウモロコシ、大豆の生産者価格は、生産増からともに下落傾向で推移している。

米国におけるトウモロコシ、大豆生産量の推移

資料:World Agricultural Supply And Demand Estimates


米国におけるトウモロコシ、大豆生産者価格の推移

資料:World Agricultural Supply And Demand Estimates


● ● ● 米国の燃料エタノール需要が大幅な伸び ● ● ●

 米国の2005/06年度の燃料エタノール向けトウモロコシは前年度比13%増の3,800万トン(生産量の14%)が見込まれている。なお、この数量は、日本のトウモロコシ輸入量の実に2.3倍に相当する。

米国における燃料エタノール向けトウモロコシの推移

資料:World Agricultural Supply And Demand Estimates


● ● ● 米国にけん引される2005/06年度の世界飼料穀物生産 ● ● ●

 世界の2005/06年度の飼料穀物生産量は、9億3,900万トンで、昨年に続き史上二位の豊作が見込まれている。トウモロコシ生産については、前月見込みから、メキシコでは作付け時期における降雨量の減少から110万トンの、南アフリカでは単収の減少と低相場から50万トンの減少とのことである。EU25カ国では、ハンガリーで増産が見込まれているもののフランスの減産で変わらず。ロシアでは、生育環境が良好であることから30万トンの増加が見込まれているとのことである。

飼料穀物(Coarse Grain)需給表

資料:World Agricultural Supply And Demand Estimates


● ● ● ブラジル大豆生産量は記録的数量となるが、2005/06年度のは種面積は減少の見通し ● ● ●

 ブラジルの2005/06年度の大豆生産量は、前年度を900万トン(前年度比18%)上回り、記録的数量である6,000万トンと見込まれている。一方、この夏の大豆生産者価格の一段の下落や投入および輸送コストの高騰による急激な農家収益の悪化を背景に、この5年間で68%(930万ヘクタール)と急激に拡大したは種面積に終止符が打たれ、2005/06年度のは種面積は、前年度を90万ヘクタール(同4%)下回り、2,200万ヘクタールになるものと見通されるとのことである。


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