デンマークの2005年上半期の豚肉輸出は堅調に推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● デンマークの豚飼養頭数は減少傾向 ● ● ●

 デンマークはEU15カ国の中でドイツ、スペイン、フランスに次ぐ豚生産国であり、豚肉生産量の大部分を輸出するEU最大の豚肉輸出国である。わが国の豚肉輸入の面から見ても、平成16年度は米国を抜いて第1位の輸入相手先となり、同国の豚肉生産および輸出動向がわが国や世界の豚肉需給に及ぼす影響は大きい。
 デンマーク豚肉機構連合(DS)がこのほど公表した同国の2005年7月1日付け豚飼養頭数は、前年比1.5%減の944万頭とわずかに減少した。飼養頭数の内訳を見ると、繁殖雌豚の一部を除きすべてのカテゴリーで減少しており、同国の豚飼養頭数の減少傾向が長引く可能性もある。

 

● ● ● 2005年上半期の輸出、前年同期比2.7%の増加 ● ● ●

 また、DSが公表した同国の2005年1〜6月における豚肉輸出量(生体、加工品を含む)は、前年同期比2.7%増の92万トンとなり、豚肉輸出が堅調に推移していることがうかがえるものとなっている。

 輸出状況を地域別にみると、EU25カ国への輸出は同13.8%増の62万4千トンとかなり大きく増加した。全体に占める割合も6.7ポイント増加して67.8%となっている。一方、輸出先として第2位の日本への輸出の減少などから、EU域外への輸出は同14.9%減の29万7千トンとなり、全体に占める割合も6.7ポイント減少して32.2%となった。

 国別に見ると、第1位のドイツは前年同期比12.7%増の22万7千トンとかなり大きく増加し、第2位のイギリスも同20.2%増と大幅に増加して17万5千トンとなった。特に、イギリスは、前年同期の第3位から2005年は日本を抜いて第2位へ躍進している。このように、EU域内向けが好調であった一方、域外向け輸出の47.0%を占める日本向けは、同24.2%減と大幅に減少して第3位に後退した。

豚肉の1〜6月の輸出実績

資料:Danske Slagterier

 

● ● ● ドイツの子豚価格高騰がデンマークの輸出増をけん引 ● ● ●

 DSによると、デンマークから多くの生体豚などがドイツへ仕向けられた要因として、ドイツにおける子豚価格が高騰したためとしている。ドイツへの輸出を品目別に見ると、豚肉加工品の前年同期比57.9%増(1万9千トン)に次いで、生体豚は同17.5%増の6万1千トンと伸び率が高くなっている。


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