EU、GMアブラナの家畜飼料などへの使用を認可


GMアブラナGT73を認可

 欧州委員会は8月31日、遺伝子組み換え(GM)アブラナGT73の輸入と家畜飼料または工業的使用のための加工を認可した。GT73は、グリホサート除草剤に耐性のあるアブラナで、すでに北米などで広く使用されており、健康や環境に対する悪影響を及ぼす報告はない。今回の申請は、モンサント社が2003年1月に行っていたものである。なお、同作物の認可期間は10年間となっている。


GM作物を一般環境へ慎重に導入するための規則が機能

 EUでは、GM作物を一般環境へ慎重に導入するために、指令2001/18/ECを規定している。同指令は、(1)野外試験など実験目的での環境への放出、(2)GM作物の耕作、輸入、工業製品への形質転換など、市場への流通−に対する活動を認可する規則となっている。

 また、同指令では次のことを規定している。

・環境リスクアセスメントの原則
・販売後の義務的な監視条件
・一般大衆への義務的な情報提供
・市場に流通する段階での表示およびトレーサビリティを確実にするための条件
・販売後の検査と管理を容易にするためのGM作物の情報提供
・最大で10年間に限った環境放出の承認
・欧州食品安全機関(EFSA)への協議

 など


指令2001/18/ECの制定後3件目の認可

 今回の認可は、指令2001/18/ECの制定後3件目のものとなる。これまでに、2004年7月にグリホサート除草剤に耐性のあるGMトウモロコシNK603の輸入と家畜飼料または工業的使用のための加工を認可するとともに、本年8月8日に害虫抵抗性GMトウモロコシMON863の輸入と家畜飼料のための加工を認可していた。今回のGT73を含めすべての作物について、食用または耕作への使用は認められていない。

 また、GT73は、GM作物としては、EUで98年10月以降GM作物について安全性に疑問があるとして、新規認可を凍結以後、約6年ぶり(2004年5月)に認可されたGMスイートコーンBt11を含めると4件目の認可となる。なお、Bt11は、缶詰に加工されたGMスイートコーンや生ものの輸入と販売を認可するものであり、これは食品に使用するために認可されたものである(規則EC/258/1997)。


◎EUとメルコスル、自由貿易交渉前進のため閣僚レベルでの会議を開催

 EUとメルコスルの自由貿易交渉に関する閣僚レベルによる会議が9月2日ブリュッセルで開催された。EUからはフェレロ・ヴァルトナー委員(対外関係担当)、マンデルソン委員(通商担当)、フィッシャー・ボエル委員(農業・農村開発担当)が出席した。今回の会議では、両者の貿易の戦略的関係の重要性、両者の公平な合意とするための優先事項などの再確認を行った。また同様のレベルでの会議を2006年の初めに実施することに合意した。


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