MLAの調査結果発表 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は8月29日、調査機関に委託して実施したエタノール義務化が牛肉産業に与える影響に関する報告書を発表した。 穀物価格上昇で肉牛産業に悪影響の可能性この調査結果によると、エタノール使用の義務化に伴い穀物価格が大幅に上昇し、コスト増や輸出価格の上昇による肉牛産業などの農業部門に及ぼす悪影響の方が、義務化による原油輸入量の減少から生じる利益よりも大きいと分析している。概要は次のとおり。 1.エタノールのガソリンへの含有量を10%、ディーゼルへの含有量を15%に義務化した場合の影響については、
穀物価格の上昇分は肉牛生産者およびフィードロット事業者共同で負担しなければならない。穀物価格の上昇の影響は、飼料穀物代のフィードロット経営コストに占める割合にもよる。穀物価格がトン当たり180豪ドル(1万5,300円)と仮定した時、約22%の割合となる。エタノール使用の義務化により、穀物価格がトン当たり230豪ドル(1万9,550円)に上昇した場合、肥育素牛価格はキログラム当たり13セント(11円)(生体ベース)下落すると見られている。さらに、穀物価格が干ばつの影響でトン当たり450豪ドルに上昇すると、素牛価格はキログラム当たり90セント(77円)下落するとみられている。 3.穀物価格の上昇が燃料経費の上昇を招く。 穀物価格が上昇すると、エタノールの生産費用も上昇する。干ばつ時には1リットル当たり7セント(6円)の燃料価格の上昇を招く。 4.全体的に見ると、畜産物と穀物の輸出量の減少や輸入穀物の増加を招き、肯定的な影響よりも否定的な影響のほうが大きい。
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