2005〜2007AI対策の概要 ● タ イ


AI対策予算概要

 タイ保健省疾病管理局所属の伝染性疾病対策事務所は8月、2005〜2007年までの3年間(タイの予算年度:11月〜10月)の、鳥インフルエンザ(AI)対策計画と予算の概要を公表した。それによると今後3年間の目標として、疾病拡大による家きんへの被害抑制のため、まず2年以内に企業養鶏におけるAIウイルスの拡散を食い止め、今後3年をめどに地鶏や闘鶏などその他の家きんおよび他の動物へのウイルス拡散防止対策を行うとしている。

 また人への予防対策として、1年以内をめどにインフルエンザが全国的に流行した場合への備えを完了し、2年を目標に動物から人への感染防止対策を行うとされた。

 これらの目標を達成するため、以下に掲げる6項目にわたる一連の対策を行うとされた。

(1)疾病清浄化対策のために、疾病まん延リスクの高い放し飼いのアヒルや地鶏に関する防疫基準を策定し、闘鶏用シャモについては登録を義務付け運搬に際しては許可証の携行を必要とするなどの対策を行う。また、清浄ゾーンもしくはコンパートメントの確定、疾病監視・発生に際する対策能力の向上、野生鳥類監視の強化、将来的にワクチンを使用することを想定した準備、公衆への情報提供なども同時に行う。

(2)疾病発生時の対策として、家きんなどに対する疾病監視および制御のための患畜の処分、農場の消毒・移転などを必要に応じて行うほか、人への感染対策・疾病監視として抗ウイルス剤やワクチンの確保などを行う。

(3)基本的知識や情報管理能力を向上するため、ワクチンや簡易診断キットの研究開発を行うと同時にデータベースの作成、情報管理事務所の設置などを行う。

(4)疾病対策に関係する部局および人材の機能向上のため、疾病監視などに関する熟練した専門技術者の育成、例えば野外で疾病監視の任に当たることのできる野生動物保護員の育成などを行う。また、病院や家畜保健所における診断技術の向上を図り、各地の病院では発生に備えて隔離病棟を設置する。

(5)リスクコミュニケーション向上のため、集落内で疾病監視などに当たるボランティア集団などの組織化を推進するなどの対策を行う。

(6)対策(3)に関連して、常設の対策本部を設置する。

 また、これらの対策に計上される予算総額は約40億バーツ(約108億円:1バーツ=2.7円)とされた。各対策ごとの年度別予算配分及び担当部局の詳細は下表のとおり。

タイAI対策概要(2005〜2007)


CPF、ブロイラー大規模生産団地竣工

 鳥インフルエンザの発生が継続しているため当面の冷蔵・冷凍鶏肉輸出再開が見込めない中、タイ食品大手CPグループ傘下のCPF社はナコンラチャシマ県で総額85億バーツ(約230億円)の大規模ブロイラー生産団地を竣工した。ここは地理的にブロイラー集中飼養地域と離れているとされ、総敷地面積4,400ライ(約704ヘクタール:6.25ライ=1ヘクタール)で、同社は輸出用加熱加工鶏肉を中心に2006年の加工鶏肉輸出量12万トンを目指すとしている。


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